戦術本『麻雀の2択』のレビューを始めさせていただきました。こちらでは本書で取り上げられている、「データの泉」を元に思うところを徒然なるままに書かせていただきます。データの具体的な数値については、是非とも本書を購入のうえ御確認下さい。
「データの泉」70p
私が役満の出現率のデータを初めて見たのは、「麻雀格闘倶楽部2」の攻略本でした。役満の出現順位こそ本書のデータと同じでしたが、出現率の高さから三大役満とも呼ばれる、四暗刻、国士無双、大三元の割合はあまり差がありませんでした。
こちらのサイトでも、三大役満の出現率はそれほど差がありません。しかしながら本書のデータでは、国士無双、大三元の出現率が四暗刻の半分以下にまで落ちています。
理由としてはプレイヤーの打ち筋の違い、ルールの違いが挙げられそうです。国士無双、大三元は河に特徴が出やすいので、天鳳鳳凰卓のプレイヤーなら安易に振り込むことは少ないでしょう。完全順位制なので役満の価値も低く、意識的に狙うことも少なくなります。一方四暗刻に関しては、役満の中では意識的に狙わなくても完成することが多く、ツモり四暗刻の形なら他家に警戒されてもアガリ率が落ちません。
とはいえ、ここまで出現率に差がつくとは正直思っておらず、個人的には本書で取り上げられているデータの中で最も驚かされました。ほとんどの場合仕掛けてアガる大三元はともかく、メンゼン限定の国士無双に関しては、同卓者が警戒したところでそれほど出現率は変わらないと思っていました。
それだけ、国士無双を狙わず、配牌で9種9牌なら流局を選ぶ打ち手が増えたということでしょう。私自身も9種はほぼ流す、10種なら狙うという程度で、これは麻雀のデータ研究に触れる前から変わっていませんが、「麻雀格闘倶楽部」をプレイしていた時期は、基本的に勝ちにこだわり実力もあるプレイヤーでも、9種は滅多に流さない打ち手も少なからずいました。
今思えば麻雀格闘倶楽部は祝儀(オーブ+1個)があり、東風戦は1−0−0−▲1、半荘戦は2−1−▲1−▲2の完全順位戦。役満をアガれた時はほぼトップが確定することを踏まえると、もう少し積極的に狙った方がよかったかもしれません。
しかし、役満は積極的に狙うという人も、効率は度外視して浪漫を追求するという話に終始しがちで、祝儀に関して触れている記述を意外なほど見ません。役満を狙うかどうかについても、あくまで勝ちを目指すうえでの効率で判断できるようになりたいものです。