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第88回 ネマタの麻雀徒然草

第88回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 戦術本『麻雀の2択』のレビューを始めさせていただきました。こちらでは本書で取り上げられている、「データの泉」を元に思うところを徒然なるままに書かせていただきます。データの具体的な数値については、是非とも本書を購入のうえ御確認下さい。

「データの泉」64p

 「オンライン麻雀は一発ツモがやたら多い」。最近でこそあまり見なくなりましたが、数年前まではオンライン麻雀関連の掲示板、SNSでその手の書き込みを見ない日は無いというくらいよく見受けられました。

 単純に牌の種類で考えると、良形待ちの一発ツモ率は1/17、悪形待ちの一発ツモ率は1/34。打ち手の意志でなるべくツモりやすそうな受けが残され、テンパイの中でもアガリやすい待ちほどリーチされやすいということも踏まえると、今回のデータからは、一発ツモ率が特別多くなるような牌操作がされていることはないと分かります。

 「一発ツモが多い」と思われるのは様々な理由がありますが、一番大きいのは「短時間で何戦もできる」ことにあるでしょう。オンライン麻雀黎明期。新しくプレイし始めた層は、それまで雀荘で定期的に打っていた人というよりは、仲間内でたまに集まって手積みで打つという人が多かったのではないでしょうか。雀荘の全自動卓ならまだしも、手積みとオンライン麻雀であれば一戦にかかる時間が大差ですから、一発ツモ率は変わらなくても、時間あたりの頻度は後者の方がずっと多くなります。

 そのうえで、「一発」という1翻役が存在する以上誰しもが意識するうえに、人間は低確率で起こることほど印象に残りやすいのですから、実際には牌操作の類が無くても、「一発ツモが多い」と感じるのはむしろ自然なことであります。

 オンライン麻雀なので、そこに牌が積まれているわけではないからというのも挙げられるでしょう。この手の牌操作疑惑を聞くたびに、「嫌なら打たなければいいじゃないか」と思いそうになりますが、この手の話が必ずしも不平不満や愚痴からきているわけではないということにも留意する必要があります。
 
 オンライン麻雀のユーザーは、機械式のギャンブル、パチンコやスロットを嗜む人も多いです。私が麻雀格闘倶楽部でプレイしていた頃、ランキング上位勢はそちらのヘビーユーザーでもあることも多かったです。機械式のギャンブルであれば、機械毎に「設定」があるのは当然であり、むしろその設定を見抜くことこそ勝つためのコツです。オンライン麻雀についても同じように捉えていたから、牌操作の存在を信じてはいるが、そのことを受け入れたうえで…むしろ受け入れて楽しんでいたからこそ、ランキング上位勢になるほどやり込んでいたのではないでしょうか。

 オンラインの中でもアーケード麻雀はそのような背景もあるので、自分の実力を棚に上げる弱い人ばかりが牌操作の存在を信じているというわけではありませんでした。私自身はとある事情から、『科学する麻雀』を始めとするデータ研究に触れる前から、「少なくとも今プレイしているオンライン麻雀に関しては、牌操作の類は無い」と信じていましたが、当時は何かと肩身が狭かったものです。その頃の話については、またどこかでお話することにしましょう。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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