役満の複合以外のダブル役満を認める場合、小四喜のアガリ牌をツモっても、アガらずに大四喜を狙う選択肢…は流石に損です。高め大四喜、安め小四喜のシャンポン待ちだったとしてもフリテンになるので、アガリ率は50%を切ります。
▼浅見了氏の日記
しかし、世の中には小四喜のアガリ牌をツモったにもかかわらずにアガらず、フリテンのまま高め大四喜の牌をツモった方もいらっしゃいます。しかも何と小四喜の時点で字一色と四暗刻もついていたというのですから驚きです。複合以外のダブル役満を認めるのであれば、大四喜字一色四暗刻で四倍役満、最初の小四喜字一色四暗刻単騎でも四倍役満です。二倍でダブル、三倍でトリプルなら、四倍はクアドラプル役満ということになるのでしょうか。
このルールなら、三倍役満までは鳴いて大四喜字一色があるので、相当低確率とはいえまだ現実的な範疇で出現します。字一色の1アタマ4メンツの組み合わせは105通り、そのうち大四喜が3通り(小四喜、大三元はそれぞれ12通りずつ)あるので、単純計算で字一色のうち35回に1回は大四喜字一色のトリプルということになります。
▼麻雀の役一覧(出現確率ランキング順)
こちらによると字一色の出現率が0.008%とあるので、これを35で割ると0.0002286%。天和よりやや低く、四槓子と同程度になるようです。
これが四倍役満となると。大四喜字一色に四暗刻をつけるか、大三元字一色か小四喜字一色に四暗刻単騎をつけることになります。そもそも字一色が狙えるような手牌であれば、対子で持っている牌が出ればまずポンするもの。一体どれほどの天文学的確率になるのか、ちょっと想像がつきません。
三人打ちではオンライン麻雀で四倍役満をアガった記録が検索すると色々ヒットしますが、これはまだ三人麻雀が導入される前の話。麻雀格闘倶楽部で様々な記録に関する全国ランキングがモニターに表示されていた時期がありました。アガリ翻数のところはずっと39翻、つまり三倍役満をアガった人が記載されていたのですが、ある日記録が52翻になっていて、「ついに四倍役満が出たのか」と、実際に見た訳でもないのに驚いたことを覚えています。
大四喜字一色四暗刻単騎なら五倍役満、もしくは四倍役満に天和や四槓子がつけば五倍役満になりますが、流石にここまでくるとイカサマ、確率操作の類で無ければ達成例を見ません。「天文学的確率」と一概に言っても、「毎日続けていれば一生のうちに一度達成する確率」と、「毎日続けていれば誰か一人は一生のうちに一度達成する確率」と、「無数にある世界線のうちの一つでは、誰か一人は一生のうちに一度達成する確率」では全く違うということに改めて気付かされるのでありました。