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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第19回 牌効率(その2) 「5ブロック」を見つけよう

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第19回 牌効率(その2) 「5ブロック」を見つけよう

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今日のテーマは「5ブロック」。

麻雀のアガリ形は、ご存じのとおり、アタマ1つとメンツが4つ。合計5つのブロックになります(国士無双と七対子はのぞきます)。
であれば、手作りの時から、5つのブロックを意識しましょう、という考え方です。

まず、「麻雀の匠」の、金太賢プロの第10回をご覧ください。

3分55秒ごろ、手牌はこうなります。
[二][四][七][九][②][④][⑥][⑦][2][3][6][6][7] ツモ[3]

金プロは「5ブロックにします。麻雀の教科書5ブロック打法」と話しながら、[九]を切ります。
典型的な5ブロック打法のシーンです。

手牌を、ブロックにわけてみましょう。メンツやアタマになりそうな組み合わせを、1つのブロックとみます。
[二][四] [七][九] [②][④] [⑥][⑦] [2][3][3] [6][6][7]

6つに分けられました。この状態を「6ブロックある」といいます。メンツの候補が4つあればよいところ、5つあることから、「メンツオーバー」または「ターツオーバー」と呼ぶこともあります(注)

最終的に必要なのは、5ブロックです。
野球は9人、サッカーは11人などと決まっているように、麻雀のレギュラーメンバー数は「5」なのです。
スタメンを決める監督になった気分で、5つを選びましょう。

切るブロックは、最も弱いブロック、一番価値が低いブロックになります。6つのうち

[⑥][⑦] [2][3][3] [6][6][7]
は、リャンメンの受け入れがあり、強いブロックです。必要な戦力ですね。

ということで、
[二][四] [七][九] [②][④]
が切る候補になります。

この3つのターツは、受け入れがカンチャンという意味では、価値は同じです。ただし、[二][四][②][④]は、うまくいけばサンショクに育つ可能性を秘めています。また、タンヤオになる可能性も見て、[九]を切ります。

この後、もし[六]を引くと、こうなります。

[二][四] [七] [②][④] [⑥][⑦] [2][3][3] [6][6][7] ツモ[六]

今度は、[六][七]がリャンメンターツの優秀なブロックになりました。[七]はクビ寸前だったところ、[六]という心強い相棒が来てくれて、一気に立場がよくなりました。今度は567か678のサンショクの楽しみも出てきましたね。

こうなると、[二][四][②][④]のどちらかが、リストラ候補になります。

このように、6ブロックある時は、金プロが「教科書」と話しているように、1つを削って5ブロックにするのが基本になります。

もっとも、打点やドラなどが絡み、ターツ同士の優劣が分かりにくいときなど、あえて6ブロックを残して進める場面もあります。6ブロックは牌効率の観点からは不利なのですが、状況に応じて判断を先延ばしにできるメリットもあります。

この比較は、金プロの著書「麻雀『超コスパ』上達法」(彩図社)で、7ページにわたって詳しく解説されています(P108~116)ので、ご興味ある方はぜひお読みください。この本では、金プロは5ブロック打法を強く推奨しつつ、「どうしても5ブロックに選べない場合だけは、6ブロックに構えても構いません」とされています。

もう一つ、「5ブロック」が役に立つのは、序盤です。序盤からなんとなく5つのブロックをイメージする、という方法ですね。

例えばこんな配牌と最初のツモだったとしましょう。

[三][七][①][③][⑤][⑧][⑨][1][5][6][7][東][北] ツモ[9] ドラ[七]

はっきりブロックと呼べるのは、
[①][③][⑤] [⑧][⑨] [5][6][7] の3つです。アガリには5ブロックいるので、さらに2つ必要です。

ただ、ドラの[七]はぜひとも使いたいので、まだ1枚しかありませんが、1ブロックに数えます。

[五][六][七][八][九]のどれかをツモればブロックになるので、期待大ですね。「ぜひ使いたい牌は、1枚でも1ブロックに数える」という考え方は、頻繁に使うので、マスターしておきましょう。

また、よくみると、[5][6][7][9]という形は、次のような発展を見込めます。

1 [4]をツモって[4][5][6][7][9] メンツ+カンチャンターツに
2 [8]をツモって[5][6][7][8][9] リャンメンターツ+メンツに
3 [9]をツモって[5][6][7][9][9] メンツ+アタマに

このように、2つのブロックに進化しやすいので、[5][6][7][9]の4枚で2ブロック、と数えることもできます。

そう考えると、最初の
[三][七][①][③][⑤][⑧][⑨][1][5][6][7][東][北] ツモ[9] ドラ[七]

の手は、
[七](1) [①][③][⑤](1) [⑧][⑨](1) [5][6][7][9](2)

とわけて、すでに5ブロックあるよ!ともいえるのです。

そう考えると、この5ブロックに含まれない[三][1][東][北]がレギュラーから外れる候補になります。ただ、[三]は、[二][四]を引いてくればリャンメンターツになるので、すぐに[⑧][⑨]より優秀なポジションを得る可能性があります。[三]は当面残した方が良さそうですね。

このように、ブロック数を意識すると、序盤の手作りの段階で、道しるべになってくれるのです。もちろん、打点が欲しい場面などでは、あえてブロックを壊して、別の道を目指すこともあります。その際も、「このブロックを失ってまで○○を狙う価値があるか?」と考えられて、判断の基準が明確になります。

序盤の手作りは、毎局行うことなので、「6ブロックを1つ減らす」場面よりも、「将来の5ブロックをイメージする」方が、使う回数は多いといえるでしょう。

次回は、「宝物のような強い形」についてご紹介します。

(注)
「ターツオーバー」という言葉は、厳密にいうと、間違った使い方をされていることもあります。

「ターツ」とは、リャンメンターツ、カンチャンターツ、ペンチャンターツの3種類、つまりあと1つでシュンツになるブロックをいいます。そのため、同じ6ブロックでも、トイツが多い形

[二][四] [⑥][⑥] [2][3][3] [6][6][7] [西][西] [北] ツモ[北]

を「ターツオーバー」というのは、本当は違うんですね。ターツが多いわけではないからです。とはいうものの、語感がよいためか、「ターツオーバー」は広く使われています。どこかで耳にしたら、とりあえず6ブロックのことだな、と理解すれば十分かと思います。

なお最近あまり使われませんが、昔は6ブロックの状態を「メンツターター(面子多々)」と言う人が多かった気がします。ふとした時に「メンツターター」とつぶやいてみれば、昭和な感じ、数十年麻雀やってますよ感を醸し出せる、、、かもしれません。同じことを指す言葉が、時代とともに移り変わっていくのも、興味深い現象ですね。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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