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ネマタの戦術本レビュー第923回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その26」

ネマタの戦術本レビュー第923回「『初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀』著:松本吉弘 その26」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第三章

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打点読みに関しても、他家が安手であれば自分の手牌都合で進めればよく、配牌の段階でドラが固まっていて手役も揃っている手牌がある以上、安手の可能性が高いという読みは外れがち。赤ドラ合わせて7枚もドラがあるルールであればなおさらです。よって重要になるのは、高打点の可能性が高いことが読める情報です。

リャンメンから鳴いているからドラが固まっているという読みは以前からよく言われますが、本書で示されているように、「スピード優先の局面でない」「リャンメンが場に薄くない」「二度受け解消でない」「手役を確保するためでない」と結構例外事項が多いセオリーです。もちろん、例外事項が多いから役に立たないというわけではなく、例外事項があることを踏まえたうえで、今回はそれらのケースに該当しないから、いよいよドラが固まっている可能性が高いという形で用いるべきでしょう。

読みについて書かれていて、なおかつ内容も正しい有用な戦術記事も現在では多く見受けられるようになりましたが、どうしても記述量が長くなりがちになるという問題点があります。しかもそのうえで例外事項を全て把握できているとは限らず、それらを更に言語化しようとするとなおのこと解説が難しくなります。

今回のような、「リャンメンから鳴いている場合はドラが最低でも2枚以上ある」のような分かりやすいセオリーであっても、例外事項が結構多く、言葉通りに捉えると誤った判断をしがちです。しかし、戦術を提唱する側にとっても、受け取る側にとっても、セオリーはなるべく分かりやすい形でまとめたいもの。 一昔前の読みに関する戦術記事に誤ったものが多いとされるのも、単に検証不足というだけでなく、言語化の難しさに理由があったものと個人的には考えています。

次の2つのセオリーについても、「メンゼンでテンパイしやすい手牌なので既に役牌に頼る必要が無いドラ2以上の手」「ホンイツでメンツ候補が揃っているので、役牌がドラトイツ以上でも跳満以上を狙うに越したことのない大物手」といった例外があります。例外事項であるケースを読める情報が出ている場合の方が読みとして重要なので、セオリーを言葉通りに捉え過ぎるがあまり固定観念の囚われないよう注意したいものです。

初代Mリーガー松本のベストバランス麻雀

新鋭Mリーガーによる待望の戦術書!

現在麻雀界はMリーグの開幕で活況を呈しています。トッププレイヤーによる真剣勝負をリアルタイムで観戦できるのは麻雀ファンとしても興味の尽きないところです。 そんなMリーグに最年少で参加しているのが日本プロ麻雀協会所属の松本吉弘プロ。第9回 TwinCup優勝、第25期 發王戦優勝などの勢いを買われ、サイバーエージェントがオーナーを務める「渋谷ABEMAS」に大抜擢されました。 元高校球児で強面。その容貌から「卓上のヒットマン」の愛称でファンに知られている松本プロですが、麻雀の腕も一級品。 その場の状況に応じて様々なスタイルを使い分ける「ベストバランス麻雀」を身上としてMリーグでも活躍しています。 本書は手順、読み、大局観、ゲーム回し、押し引きといった麻雀で勝つための重要事項をテーマに、松本プロが自身の戦術を初披露した、ファン注目の一冊です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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