- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
18 愚形待ちで追いかけリーチできる基準
良形待ちの場合も、四麻と比べれば押せる基準が若干厳しくなっていましたが、横移動が起きづらくめくり合いになりやすい三麻においては、愚形ではなおのこと押すのが厳しくなります。ツモ損無しかつリーチ者がを2枚抜いているとなると、満貫でも押せないケースがあります。
良形テンパイの場合は危険牌でも大体押せることが多かったので考慮に入れる必要性が薄かったですが、愚形の場合は切る牌の危険度でも判断が大きく変わります。考慮すべき要素が増えたので覚えるのが難しくなりましたが、重要事項なので特に読み込むようにしたいものです。
安全牌切り愚形か危険牌切り良形かについては、危険牌の放銃リスクも高いですが、めくり合いで勝ちやすい良形待ちでテンパイにとれるメリットも高くなっているので、結果的に四麻とそれほど判断が変わらないようにみえます。実戦では局面に応じて判断することが増えそうです。
テンパイ取りダマについては、役無しで危険牌を押すのは単純に損なので、リーチか降りを選ぶ事が大半だと思いますが、比較的安牌を切りつつ役有りダマに受けられるとなればまた変わってくるでしょう。メンツのスライド等で当たり牌を止めつつアガリ切れるケースも、三麻なら四麻より見られます。このあたりは本書にある通り今後の研究課題。実戦的には追いかけリーチ有利といっても微差で、それほど加点のメリットが大きい局面でないなら諸々の理由でダマに構えることが増えそうです。
19 愚形待ちフーロ手で押せる基準
良形の基準を踏まえると、リーチの時よりも引き寄りになりそうなイメージでしたがこちらはそこまで変わらなさそうです。愚形待ちの場合はアガリ率が低いので、リーチ棒を出費しなくてよいことがメリットとして強くなるためというところでしょうか。
天鳳位のコメントにある通り、愚形テンパイの場合の押し引き判断はなおのこと局面の影響を受けやすいと言えます。フーロ手の場合は回し打ちからアガれるケースもあるので尚更。このあたりは個別局面に応じた判断が必要となるので、個人的にも突き詰めていきたいところです。
みーにんさんの『データで勝つ三人麻雀』
宇宙初! 三人麻雀のデータ戦術書
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●8代目三麻天鳳位・abantes氏が各テーマごとに解説した実践向きコラムを掲載