- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第九節二回戦A卓
▼対局者
私:トトリ先生19歳
Ⓟ中嶋隼也
Cさん:独歩
Ⓟ木原浩一
くっつき1シャンテン。ツモの一通もあるのでは残すとして、とならツモの3メンチャンもあるので内側のを残しそうでしたが打。が他家に使われている可能性が低いことを意識した一打でしょうか。
結果的には打ならシャンポン待ちをツモアガっていましたが、単騎の仮テンからツモで待ちリーチ。この河で待ちは盲点になりそます。がアンコになって待ちテンパイを逃しても単騎待ちから手変わりが狙え、その方が直撃も狙えるので悪くないという判断もあったのかもしれません。
安牌に窮した東家から出アガリ。これでトップの行方がまだ分からなくなりました。
南場親で更に加点し、2本場で確定三色平和ドラ1テンパイ。ダマでも出アガリ11600の手ですが、北家がソーズホンイツ傾向のためダマでも直撃は期待できないとみてのリーチ。ツモるようなら一気にトップを捲る手になりましたが、ダマの南家に2600放銃。再びラス目に落ちます。
テンパイ取りからトイトイ変化をみる手もありましたが、点数状況的に1300のアガリの価値が低く、テンパイを外せばツモは良形テンパイということもあり最大限手変わりを目指す打。5200ならどこからアガっても3着以上になれます。
をポンされたということもありますが、東家の仕掛けをケアしてを止めて打。一旦止めてもテンパイの可能性は残り、は放銃はもちろん鳴かれてツモられただけでもラスを回避できる可能性がかなり下がってしまいます。ラス目だからといって安易に押すと決めてしまわないようにしたいものです。
役牌南をポンして打。アガリのための役は確保しますが、雀頭の無いメンツ候補オーバーにつきターツを1つ外してもシャンテンが落ちないので安牌になりやすい1枚切れを残します。東家以外には満貫放銃してもトップで終われる(東家に出アガリ満貫の手が入るなら、放銃を回避しても跳満ツモで捲られる可能性も残る)ますが、トータル2位の南家にラス回避されると東家にトップを捲られるより損失が大きいので、通常の半荘以上に安牌を残す価値が高いと言えそうです。
結果的には東家が跳満をツモって逆転。前の局面で打ならアガってトップ終了できていた可能性もありましたが、南家がラスのままで終わったのでよしというところでしょうか。