- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第五章 鳴きへの対応
CASE46 序盤のチーの意図を読む
まずはどんな手牌からどの牌を鳴くかについての知識を身につけましょう。(前作『麻雀技術の教科書』の記述が参考になります。こちらも後日レビュー予定です。) カンチャンは役がつきさえすれば鳴くことが多いですが、リャンメンを、しかも序盤から鳴くとなれば相応の手が入っていると考えてしかるべきです。
ただし、リャンメンチーが警戒されるという理由で、鳴けば満貫テンパイの手をスルーしたり、逆にアガリが遠いところからリャンメンをチーするということは基本的に考える必要はないでしょう。何故なら、相手が正しく対応するとも限らないですし、正しく対応されたとしてそれが損になるとも限らないからです。いくら警戒されたとしても、テンパイなら警戒されてない1シャンテンよりアガリやすいですし、アガリに遠い手で他家を牽制した結果、こちらの仕掛けに警戒する必要がない程度に勝負手が入った別の他家の一人旅になって高い手をツモられるリスクもあります。
CASE47 三元牌のポンを読む
個人的には序盤という条件なら牌姿2程度の手牌でもを切ります。以外の牌が通るとも限らず、ここで手を狭めてを抱えればを重ねられるリスク、小三元の単騎テンパイを取られるリスクは更に上がってしまうためです。
安易に「いまのうち」で切ろうとする人は、仮に大三元や小三元という役が存在せず、「の5200止まり」であったとしても切るかどうか微妙な手から切ってしまっているもの。役牌のトイツが2つポンされた時点で、ホンイツかトイトイかドラドラで満貫ですから相応に警戒が必要です。
中盤以降となれば流石に3つ目の三元牌を切るリスクは相当高いですが、「テンパイしても3つ目の三元牌を止められるようにダマにすべき」かどうかとなると話は別問題。止めたい牌が3つ目の三元牌程度の勝負手なら、3つ目の三元牌で放銃することより自分がアガれることが多いのですからリーチを推奨します。逆に言えば、3つ目の三元牌以外のあらゆる通ってない牌を止めた方がよい程度の手であればダマにします。
三元牌を1つ鳴いて他の三元牌を引っ張っていれば、残りの三元牌を持っている可能性が高い。同じことは四喜和がある風牌にも言えそうです。このセオリーを『五十嵐毅の麻雀 至高の守備』では「字牌のそばテン」と紹介されていました。
CASE48 リーチに対する鳴きを読む
現物待ちでなくてもテンパイならリーチに対してそれなりに押せるので、現物待ちの可能性が特別高いというほどでもありませんが、「仕掛けに現物、リーチにも大体通る」牌を切って当分しのぐことができるのであれば、安易にリーチの現物を追って振り込まないように注意したいですね。
麻雀技術守備の教科書
いちばんやさしい麻雀の守備の本
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