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もっと勝つための現代麻雀技術論 第94回 「基本的な鳴き判断②」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第94回 「基本的な鳴き判断②」

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前置きが長くなりましたが、今回から具体的な鳴き判断に入ります。特に言及が無い場合、局面は東1局0本場の子であるものとします。

 

 鳴いて良形タンヤオのみのテンパイと、リーチタンヤオ完全1シャンテンとの比較。

 鳴いてテンパイに取れますが、「鳴くと安い」「良形を面子にする鳴き」なので、鳴くかどうかは巡目次第。シミュレートにより、スルーと鳴きの分岐点は9巡目程度であることが分かっています。実戦でも頻出の形なので基準として押さえておきたいですね。

 分岐点付近で鳴ける牌が出た場合は、「スルーして、次巡以降鳴ける牌が出たら鳴く」という選択も有力です。分岐点付近の判断は、「どちらでも大差ないので、局面次第で判断が変わる」ことが多いもの。基準を押さえておく必要はありますが、基準そのものにこだわり過ぎないようにしましょう。

 上記の手牌でドラが1つある場合はどうでしょうか。現麻本では、リーチによる得点上昇効率がドラ0の場合とほぼ同等なので分岐点は同じとしましたが、着順込みでみた場合、鳴いて30符1翻が30符2翻になっても大差ないですが、リーチして40符2翻と40符3翻は結構な差になるので、ドラ1の時の方が分岐点付近でスルーすることは増えそうです。このあたりは点数状況込みで判断したいですね。

 ドラが2つある場合、「鳴いてもあまり打点が下がらない鳴き」に相当するので基本鳴き。スルーと鳴きの分岐点は5巡目程度になります。ドラ3なら鳴いて満貫テンパイなので打点もほとんど落ちないため1巡目でも鳴きます。

 

 テンパイした場合に平和がつく(ツモ以外)ので、先ほどの手牌よりも遅い巡目までスルー有利になります。

 分岐点はドラ0、1の場合11巡目、ドラ2で7巡目、ドラ3で2巡目程度です。「科学する麻雀」で、文章中では、「タンヤオのみ良形テンパイと、良形リーチタンヤオの1シャンテンの比較」となっていたにも関わらず、牌姿では平和がつく形になっていたので、この形でも9巡目くらいからは鳴いたほうがよいという誤解があったかもしれません。

 

 リャンメン×2の1シャンテン。完全1シャンテンに比べテンパイまでに巡目がかかるので早い巡目から鳴き有利。

 分岐点はドラ0で5巡目、ドラ1で6巡目、ドラ2で3巡目、ドラ3は1巡目でも鳴き。平和がつく場合はそれぞれ9、9、5、1巡目が分岐点。平和がつかない完全1シャンテンの場合と同じになります。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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