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目下の1打にのみ明日の最強が宿る!決勝 最終節 4回戦(最終戦)レポート

目下の1打にのみ明日の最強が宿る!決勝 最終節 4回戦(最終戦)レポート

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11/23(水・祝)16:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDマンスリーリーグ決勝 第2節 4回戦(最終節最終戦)の様子をお届けします。

対局者は、起家から順に

多井 隆晴(RMU)

藤田 晋(株式会社サイバーエージェント代表取締役社長)

佐々木 寿人(日本プロ麻雀連盟)

瀬戸熊 直樹(日本プロ麻雀連盟)

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。

2016RTD_決勝2節4回戦_1_R                     

 

多井の優勝、藤田の準優勝もほぼ決まり、残すところあと1回。

こうなると、4者ともに「良い麻雀を打ち切る」ことが目標となる。

かと思いきや、開始前、佐々木だけは瀬戸熊とのポイント差をメモしにきた。

この男、まだ3位を諦めていない。

そう、この諦めの悪さが佐々木である。

 

東1局、カンが埋まって高目三色のリーチをかけた瀬戸熊に対し、オヤの多井がイーシャンテンからをツモ切って8000。

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瀬戸熊が先制すると、これが瀬戸熊劇場開演の合図。

 

東2局では、佐々木のリーチに追いかけると、佐々木が一発でを掴んでウラ1の8000。

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東3局でも、藤田のリーチに追いかけると、藤田がを掴み、2600。

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これでオヤ番を持ってくると、10巡目リーチをツモって2600オール。

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続く1本場では、タンヤオチートイツの単騎をダマテンで藤田から。

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極めつけは2本場。

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ここから何を切るか。

ぱっと見て、に手をかける打ち手が多そうだ。

しかし、瀬戸熊の選択はツモ切り。の2枚切れを見て、を引いてのチートイツも視野に入れる1打である。

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結果的にはを引いてこのリーチになるため、形は変わらないのだが、ここで切りリーチになったことが、この後少しだけ瀬戸熊に利する。

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をチーしてかわしにいった多井が、ツモ切りで12000放銃したのだ。

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このは、瀬戸熊がどういう切り順でも多井から切られると思うのだが、宣言牌がであることは、多井の背中を押す材料になったと思われる。

少考して切りの次巡、切りリーチ。

仮にの形で持っていたのなら、前巡の少考時にが切られ、宣言牌がにはなりにくいのではないか?

そのような読みが、少なくとも多井の背中を押したことは間違いないだろう。

あの手牌から最高打点のチートイツを逃すまいとした、瀬戸熊の隠れたファインプレーである。

ここまで、なんと6局連続のアガリで、瀬戸熊が最終戦のトップを独走していく。

 

その瀬戸熊に対し、佐々木も絶対に諦めない。

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南3局のオヤ番では、ポン、チーでテンパイを果たすと、生牌のを切り、2枚切れの単騎に受けたのだ。

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そして、ツモ切りを続け、終盤に引いたもツモ切り。と入れ替えることができるのにもかかわらずだ。

佐々木はこのとき、瀬戸熊・多井のテンパイ気配を感じていた。

その上で、佐々木は言った。

「とにかく手出しをしたくなかった。これで放銃したらバカだなあと思ったけど…」

 

思ったけど…、それに続く言葉はきっと、「トータル3位になるには、これをアガり切るしかないから」だろう。

手出しすればするほど、2枚切れのが出にくくなる。

最後まで絶対に諦めない。それが佐々木寿人という打ち手だ。

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しかし、結果的にはこのが多井に捕まり、オーラスを迎えることとなってしまった。

 

オーラス、多井はいつも通りに休まない。

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オヤの第1打であるからポンしていく。

 

藤田も、ドラのカンチーから果敢に仕掛けていく。

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すると、ここに瀬戸熊がオヤリーチでかぶせた。

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多井は真っ向勝負。

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無スジを4枚切り飛ばし、テンパイまでたどり着く。

 

そして、なんと藤田も、カンチーの後にと引いてテンパイを果たしていた。

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ここから、多井のアタリ牌ではなく、きっちりドラのをツモ切っていく。

 

藤田・瀬戸熊・佐々木は知っている。

この半荘、この1局、この1打の粘りが、明日以降の自分の麻雀を成長させると。

だから、絶対に手を抜かない。

 

多井もまた、知っている。

この半荘での緩みは、明日以降の緩みにつながると。

だから、絶対に手を抜かない。

 

目の前の1打1打に挑戦することでしか、明日の最強へと自らを導くことはできないのだ。

 

そんな4者の純粋な麻雀がぶつかり合った最終局、藤田が藤田らしい柔軟な仕掛けからの倍満ツモで、主催者自ら幕を引いた。

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RTDマンスリーリーグ2016 優勝 多井 隆晴(RMU

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多井は、これで日本シリーズと合わせて2016年の団体混合タイトル2冠。

この優勝で、最強戦ファイナルの出場権も獲得した。12月、最速最強・多井隆晴が、文字通り「最強」の称号獲得に挑む。

 

「目下の1打に挑むことでしか、最強への道を拓くことはできない」

2014最強位・藤田晋の号令で始まったRTDマンスリーリーグ2016は、そんなメッセージを残して幕を閉じた。

 

強者たちよ、最強への道を開拓せよ。

 

 

【観戦記執筆後記】

RTDマンスリーリーグ2016、いかがでしたでしょうか?

これだけ長期のリーグ戦を放送するのは、選手・スタッフにとって挑戦だったと思いますが、観戦記者の私にとっても挑戦でした。これまで観戦記を何十本と書いてきましたが、このような長期シリーズの観戦記を担当するのは、当然初めてのこと。戸惑いながらも、なんとか最後まで書くことができました。

1年にわたって観戦記にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

番組中に来年度の開催がアナウンスされましたので、みなさま来年度もRTDマンスリーリーグをぜひよろしくお願いいたします!

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藤田晋invitationalRTDマンスリーリーグとは

2014年に麻雀最強位を獲得した藤田晋が、団体の垣根を超え、今最も強いと言われている麻雀プロを招いて開催される長期リーグ戦。
予選ではBLACK DIVISION・WHITE DIVISIONそれぞれ8名ずつの選手が出場し、7節28回戦を争う。
優勝者には2016年麻雀最強戦ファイナルへの出場権が与えられる。

 

視聴方法:AbemaTV( PC版 / iOS / Android)

PC版:http://abema.tv
iOS版:https://itunes.apple.com/jp/app/abematv/id1074866833?mt=8
Android版:https://play.google.com/store/apps/details?id=tv.abema&hl=ja
視聴は全て無料でご覧いただけます。
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AbemaTV麻雀ch:https://abema.tv/now-on-air/mahjong
RTDマンスリーリーグ公式サイト:https://rtdmonthly.amebaownd.com/
AbemaTV麻雀ch公式Twitter:https://twitter.com/abema_mahjong
RTDマンスリーリーグ公式チャンネル(アーカイブ放送):https://abemafresh.tv/rtdmonthly
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この記事のライター

鈴木 聡一郎
1983年生、千葉県出身
早稲田大学在学中の2004年、最高位戦日本プロ麻雀協会に入会。
以後10数年に渡り、観戦記者として活動中。
最高位戦以外にも、モンドTV、麻雀スリアロチャンネル、RMUなどの観戦記を執筆。
近年では、AbemaTV麻雀チャンネルの公式ライターとして、RTDリーグなどの観戦記者を務める。
観戦記以外には、書籍『麻雀偏差値70へのメソッド』(石井一馬著)、『最強プロ鈴木たろうの迷わず強くなる麻雀』(鈴木たろう著)、『多井熱』(多井隆晴著)などに協力。

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