第1章レッスン1 「読み」の使い方
「読みは不要」という価値観を浸透させた戦術書と言えば、『科学する麻雀』ですが、ここでの「不要」とは何も全般的に不要という意味ではなく、「他の重要な技術に比べれば不要」あるいは、「従来言われてきたような読みは誤っているか、誤りではないが実用的でないので不要」という意味です。
他の重要な技術に相当するのが、「牌理」や「押し引き」です。「牌理」「押し引き」と一口に言っても色々ありますが、ここでは便宜上、アガリを目指してどのような手組をするかといった、「手牌」が問題になるもの全般を「牌理」。放銃リスクがある牌を切るに見合うかといった、「打牌」が問題になるもの全般を「押し引き」とします。そうすることで「手牌」「打牌」以外の公開情報が問題になるもの全般を「状況判断」、非公開情報が問題になるもの全般を、「読み」とすることで麻雀戦術の全体を大きく4つにカテゴリ分けすることができます。
「状況判断」や「読み」は、「牌理」「押し引き」の技術を補完し、精度を高めるための技術です。あくまで補完するものなので、そちらが主体になってしまうと、「この牌は特に危険という読みは正しいが、それでも押すべき手にもかかわらず降りてしまう」といった判断ミスをしかねません。実戦で読みをどの程度適用するべきか。本書にはその目安について丁寧な解説をふまえたうえで示されてあります。
レッスン2 牌の組み合わせを理解する
待ちの基本形は(国士を除いて)、タンキ、シャンポン、リャンメン、カンチャン、ペンチャンの5通り。他のどのような複雑な形も、5通りのいずれかを組み合わせたものです。
例えばリャンメンにシュンツをつなげて23456となると147待ち、タンキにシュンツをつなげて3456となると36待ち、更につなげて3456789なら369待ちです。
このようにシャンポン待ち以外は、基本形にシュンツをつなげても、必ず1−4−7、2−5−8、3−6−9と3つ離れた数牌同士が待ちになるように出来ています。4が通れば1と7はリャンメンで当たらないという、「スジ」の概念はここから来ています。
余談になりますが、ヤオチュウ牌1種が待ちになることから国士の待ちをタンキ待ちと呼ばれる場合があります。しかし雀頭を待つのがタンキ待ちですから、既に雀頭ができている国士をタンキと表現するのは正しいとは言えません。雀頭を待つのがタンキ待ちならむしろ13メンチャンの形が該当しますが、これをタンキ待ちと呼ぶのはかなり違和感があります。あえて言葉を作る必要性も薄いので、国士テンパイでを待っているなら待ち、13メンチャンなら13メン待ちと呼ぶのが無難でしょう。
本記事に関するご紹介
「これはどうしても優劣がつかないときだけ使う読み」といった、実戦的な判断まで考慮した内容になっています。
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