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ネマタの天鳳名人戦牌譜検討  第139回

ネマタの天鳳名人戦牌譜検討 第139回

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ネマタの天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第五節三回戦A卓

▼対局者
私:就活生@川村軍団
Bさん:タケオしゃん
Cさん:独歩
多井隆晴

牌譜はこちら

 139-1-min

 東家がダブをアンカン。これで鳴いてもドラ1で11600の手になりました。

139-2-min

 他家視点からみれば役が確定してドラ1つで親の満貫なのですからかなり警戒が必要。しかも目一杯に構えるはずの東家からここで安牌のが出てくるとなると、とフォロー牌を取り替えた1シャンテン、ドラ1でもあればダマで満貫なのですから、メンツが完成してのダマテンも十分有り得ます。

 北家もメンゼンなら高め三色でダマ倍満まであり、ポンテンでも満貫テンパイに取れる完全1シャンテンの大チャンス手。しかしながらは東家のテンパイが入ればいかにも危険になるところで、一方より先にをツモ切っていることから、目一杯に構えるはずの東家にもほぼ安牌。これだけの手でもこの状況なら受け入れを狭めて安牌を抱えるのも頷けます。

139-3-min

 しかしながら次巡に裏目のツモ。ここでツモ切らずに冷静に空切り。これで待ちテンパイになった場合に他家から出アガリしやすくなります。空切りの手筋の中でもはや最も有名ともいえるものですが、実戦で徹底できている打ち手はあまりいないのではないでしょうか。「裏目を引いた」と思うとその牌をついツモ切ってしまいがちになるのでなおさらです。

139-4-min

 が残り4枚と薄いのもあり、西家もおいそれとはリーチにいけず役無しでもダマ。悪形ドラ1程度であれば、東家が次巡に必ず追いかけリーチを打つ前提でもリーチが悪くないのですが、今回は更に放銃時に12000以上がほぼ確定している局面。これもダマで頷けるところです。

139-5-min

 東家が手出しで。マンズでメンツが完成したケースでなければ、待ちのダマはいかにもあるところです(北家のが鳴かれていないのでなおさら)。巡目的にも安全にテンパイ料を取るに越したことはないのでを止めます。

139-6-min

 このをチーして北家がテンパイ。

139-7-min

 これを東家がチーして待ちのテンパイにとったところ北家が8000のロン和了。東家はからツモで手変わりしての打が鳴かれなかったとはいえ、ここで鳴いてを打ってくる北家に高打点テンパイが入っている可能性が十分あることは東家も想定のうちだったと思います。巡目も残り僅かだったので、もしがツモ切りだったならケアで鳴いて打とされたかもしれません。

 見えていないリスクに必要以上に警戒すべきではありませんが、リーチやテンパイ濃厚な仕掛けが入っていないとしても、はっきりリスクが見えているものに対する警戒の必要性を感じさせられる一局でした。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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