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ネマタの戦術本レビュー第590回「麻雀AI戦術 著:水上直紀  その30」

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Q64

 ペンチャンを鳴いて片アガリの形が残るということは、急所を解消できる代わりに新たに急所が増えるようなものです。それでもテンパイに取った方が明確にアガリやすいのですが、スルーしてをツモったとしても、リーチドラ1なら和了平均点は鳴きチャンタドラ1の2倍以上、ツモってリーチなら実に4倍以上。他家にアガられるリスクも増えるとはいえ、「片アガリかつ安手」になる場合は基本的にメンゼンで進めます。

 この問題の3巡後がQ26。ここでリーチしてをツモるようなら6000オール。流石にここまでうまくいくことはなかなかないですが、「メンゼンで間に合うかどうか」だけでなく、「うまく間に合った時の打点」も踏まえたうえで判断することを心がけましょう。

Q65

 同じ1シャンテンなら高打点になるチンイツがよいのは確かですが、だけでなくで鳴く手もあります。

 で鳴いた場合はで鳴いた場合に比べて、でテンパイせず、でテンパイした時の待ちが悪くなりますが、でテンパイし、でテンパイした時の待ちがよくなります。

 初見ではで鳴いた方がよいと思ったのですが、3メンチャンがリャンメンになるアガリ率の低下より、良形(エントツ形)がシャンポンになることのアガリ率低下の方が大きく、ポンは誰からでもできるのでを鳴いてテンパイする可能性が高いことから、改めてみるとで鳴いた方がよさそうです。AIがどの程度差があると判断したのかが気になります。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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