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もっと勝つための現代麻雀技術論 第99回 「3シャンテンの鳴き判断」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第99回 「3シャンテンの鳴き判断」

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 今回は3シャンテン(面子候補が足りていて、鳴いても役有り確定)のケースを考えます。

  2シャンテン以上にメンゼンでテンパイできる可能性は低くなりますから、鳴いて3翻以上の手や、悪形を解消できる鳴きなら序盤からでも仕掛けます。序盤で面子ができて2シャンテンになった場合でも、良形からはまだ鳴かない手なら良形からはスルーします。

  3シャンテンの場合も、どうせ鳴いてあがることが多いから手が進む牌は何でも鳴くと考えるのは早計です。今度は守備力の問題があります。第93回で、テンパイなら守備力を意識する必要はないとしましたが、逆に言えば、自分がテンパイする前に他家にテンパイされる可能性が高い場合は守備を意識する必要があるということです。

  どの程度守備を意識するか具体的な基準を作るのは難しいです。よく、「リーチがかかった時押せる手でないなら鳴かない」と言われますが、他家のリーチが入る前に先にテンパイできる場合もあり、その場合は鳴いていた方が有利なので、この考え方では守り過ぎです。

 ですから、「中盤ですぐに他家からリーチが入ると損だが、先にメンツができて1手進めばリーチがかかっても押しが悪くない」くらいまでは鳴くとするとバランスが取れているのではないでしょうか。具体的には、中盤鳴いて1シャンテンなら、子で悪形×2かつ鳴いて2翻以下ならスルー寄り。鳴いて2シャンテンなら、良形が揃っている、3翻以上、親の3つのうち2つ以上満たす場合以外はスルーというところでしょうか。

  良形か悪形か、高打点か低打点かで判断基準を考えてきましたが、これも局面次第です。リャンメンと言っても受けが4枚以上場に見えていれば実質悪形ですし、オーラスアガリトップ等アガリの価値が特に高い場合は、低打点でも高打点扱い。逆に点差のあるトップ目で特に放銃は避けたい場合や、上位とも下位とも大きく離れていてアガリの価値自体が低く、下位への放銃だけは特に避けたい場合は、高打点でも低打点扱いとみなして判断します。

  「ルールや他家の打ち筋によって打ち方は変わる」と言いますが、正確には、「局面によって打ち方が変わるケースもある。ルールや他家の打ち筋によって生じやすい局面は変わる」と言うべきです。

 「相手の手作りが早い打ち手ほど早めに鳴く、遅い打ち手なら鳴くのを遅らせる」というのは、一般的には間違っていないですが、あくまで、鳴いてアガリが早そうな他家がいるか、他家の鳴きが高いかどうかといった局面に応じて判断すべきです。

 例えば鳴きの分岐点よりやや早いくらいの巡目でメンタンピンの良形×2の1シャンテンで、他家からリャンメンのチーが入った場合。鳴いた相手が手作りの早い打ち手ならまだノーテンのケースが多くテンパイでも安手のことが多いのでまだスルー寄りだが、もし鳴いた他家が手作りの遅い打ち手ならテンパイ率が高く高打点のケースも多いとみてむしろ早めに鳴くと考えられないでしょうか。「ルールや面子によって打ち方は変わる」は誤りではないですが、それに気をとらわれすぎて、基本的な鳴き基準が疎かになったり、局面の変化を見落としたりしないように注意したいですね。

 

 今回で99回。次回でいよいよ100回です。節目としてこんな問題を出題してみます。

 問 マンズの清一色で数字の合計が100以上になる「百万石」というローカル役満がありますが、実は清一色で数字の合計が99になる「九十九里浜」というローカル役満もあります。ここで、マンズだけ14枚取り出した場合、14枚が「純正百万石(合計がちょうど100)」のアガリ形になっている確率と、「九十九里浜」のアガリ形になっている確率を考えます。どちらの確率の方が高いでしょうか。また、高い方の確率は低い方の確率の何倍でしょうか。小数点第2位(3位以下四捨五入)まで求めて下さい。

  

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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