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ネマタの戦術本レビュー第80回「超精緻麻雀 著:ASAPIN その7」

ネマタの戦術本レビュー第80回「超精緻麻雀 著:ASAPIN その7」

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第三章

27 鳴くのはあくまで勝つための手段の一つであり、鳴き判断はあくまで、「鳴いた時と鳴かなかった時の比較」で行う。このことを意識していると、特に見落としやすい、アガリに向かう以外の鳴きについても気付きやすくなると思います。

28 自身に海底が回るということは、他家の捨て牌が海底牌にならないので鳴くチャンスが1回増えるということでもあります。実戦で図のチーはなかなか気付かなそうですが、「自身に海底を回すことはメリット」ということを意識しておくのがよさそうですね。

29 仕掛けによる他家の挙動の変化をどの程度考慮するかを正確に見積もるのは難しいですが、私は、アガリに近い手ほど、一見鳴くべき牌でもスルーする手はないか、逆にアガリに遠い手ほど、一見鳴く牌は無さそうだけれども鳴いた方がよい牌がないかを考慮するようにしています。
 前者は、鳴くことで警戒されてアガリ牌が出にくくなるので思ったほどアガリやすくならないなら、スルーしてメンゼンで進めた方が打点込みで有利になることも考えられますし、後者であれば、鳴いてもアガリが厳しいとはいえ、他家に警戒させることがメリットになり得、他家の手牌を止めた結果自分のアガリが間に合うことも考えられるからです。

30 押すべきでないからベタ降りと考えるより前に、押さないなりにベタ降り以上に失点を抑えられる選択肢がないかを考える。形テン取りはその代表例です。
 手作りやベタ降りの技術に比べれば重要度は低く、形テンを意識し過ぎて手作り、ベタ降り判断でミスをすることは避けたいですが、実力を上げることを目標にするのであれば、局面が複雑になって後々ミスをしてしまうことを恐れずに、今この時点でのベストを尽くすことを心がけたいものです。

31 技術としてはそれなりに重要度が高いが、一問一答形式で例題を作るのが難しい内容については戦術書として取り上げにくいため、どうしても軽視されがちです。私も今後機会があれば実戦譜を用いて、「どの情報に着目して、どのように考え、どう打牌判断を変えるのか」について取り上げていければと思っております。

何切る4 打 安牌の無い2シャンテンですが、安牌を水増しできる牌よりはの方が通りやすく、序盤で通っている牌も少ないので浮き牌にくっついて1シャンテンになるようであればまだアガリを目指した方が有力とみてここではを切ります。
 を残していればツモでも1シャンテン。ツモでより形がよくなるので、残しは悪手とまでは言えないと思います。ただ、東を残していれば更にソーズ引きか東重なりで落としてホンイツ、トイトイに移行するのが有力なので、守備力も考慮して前巡は東を残して打でしょうか。

 

本記事に関するご紹介

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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