一限目 講座1
祝儀5000点相当のルールでの図Aの手牌からは打が推奨されていますが、現在の研究では打の方が有力であることが分かっています。
23赤5の待ち選択その6・祝儀ルールも加味 - とりあえず麻雀研究始めてみました
打が有力とされているのは、従来の研究では祝儀5000点相当のチップの価値は、平場なら1枚あたり約1000点とされていた為です。
東1局に1000点を和了した場合の最終的な順位期待値を収支に含めると、素点にして約5000点の価値があるというのが根拠になっていましたが、この1000点和了のデータには、他家のリーチが入って収入が2000点や3000点になったケースも含まれていました。
その後の研究結果で、5000点相当、ウマ1−3として、平場におけるチップの価値は1500点強であることが分かりました。ツモれば祝儀は3倍になるので、赤ドラ1枚の価値に置き換えれば2000点強(和了時ツモ率33%、他家3人のうち2人が押してくる計算)〜3000点強(和了時ツモ率50%、他家3人のうち1人が押してくる計算)というところでしょうか。
チップ1枚の価値が1000点なら優劣微妙というところでしたが、1500点なら収支上は打が有利と言ってよいでしょう。
ただし、チップを意識し過ぎずに、着順および手なりの手牌進行を優先するという考え方自体は重要です。理由としては2点挙げられます。
1つは、悪形テンパイは場況によってアガリ率が結構落ちてしまうことも、良形テンパイに比べれば多いと言うことです。例えば今回の手牌でも、が1枚切れで、なおかつクイタン傾向で仕掛けている他家がいかにもを使っていそうと読めるのであれば、アガリ率優先で打とすることも十分考えられます。
もう1つは、特に着順を意識すべき局面であればなおのこと祝儀の価値が下がり、そのようなケースで祝儀にこだわり過ぎることは大きな損失につながるということです。
逆にダントツやダンラスの場合は祝儀の価値が上がりますが、着順変化が起こりにくいダントツやダンラスは多少ミスしても大きな損失にはなりにくいですし、出現頻度も僅差で順位争いをしている他家がいる局面に比べれば少ないです。
戦績に大きな影響を与える局面におけるミスはねるべく避けるという観点からも、祝儀がある麻雀でも基本は着順を優先して打つことを推奨します。
図Bは赤を使い切る受けを残す打よりは打。メンゼン手なので、赤を切っても平和の打点や一発裏ドラ(今回はも)の祝儀もあります。裏ドラ期待値が約0.4枚、和了時一発率がリャンメンなら約15%、悪形ならその半分、ツモれば祝儀3倍なので、一発裏だけでもチップ期待値は1枚弱というところ。
良形30符3翻リーチのアガリ平均点が約6000点、悪形40符3翻のリーチのアガリが約7100点なので、赤ドラの価値を高く見積もっても、ツモの場合はカンよりでリーチ打てる方がよいでしょう。
ただし赤ドラの価値自体はもちろん祝儀無しの場合より高いのですから、序盤ならリャンメン固定して赤を使い切る変化を残す打が有力そうです。
図Cは赤ドラの価値を比較的高く見積もっても、3900点+赤<8000点なのでこれははっきりホンイツ狙い有利。図Dは祝儀無しでも7巡目なら基本リーチを打つ手ですから、ツモれば祝儀3倍なのでなおのことリーチ有利であると言えます。これは図Aよりはっきり差がでるので迷わないところです。
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