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ネマタの戦術本レビュー第150回「天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた。 著:ASAPIN その10」

ネマタの戦術本レビュー第150回「天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた。 著:ASAPIN その10」

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テーマ10「メンタルをどう整えるか」

 ・麻雀の知識を増やす

 今回は御三方の意見についてそれぞれ私の見解を申し上げます。正しい知識を身につけるというのは、今まで独学で打ち方を身につけてきた方や、データにあまり興味が無く直感に頼って打っていた方には特に有力と思われます。正しい知識が身に付いていないと、不調が続くとそれを理由に打ち方を変えようとしがちになり、結局何が正しいかが分からぬままになり、上達を妨げてしまうことになります。偶然を偶然と認識すること。知識を身につけて揺れないようにするためにもまず押さえておきたいところです。しかし、偶然で心が揺れなくなると、今度は自分の選択ミスがより腹立たしく感じてしまうもの。本書でも言及されていますが、ミスの反省は対戦が終わってからするように心がけたいものです。

 ゲン担ぎ的なものは、それをしなければ全力を出せないというのであれば単なる弱点ですので、できればしないことに越した事はないですが、否定ばかりしていると今度は、「こだわらないことにこだわってしまう」ので、あまり気にしなくていいと思います。

 ・ 鈍感力を鍛える

 知識が十分にあっても、否、知識があるからこそメンタルに影響が出てしまうことも有り得ます。極論になりますが、そもそも麻雀の知識が一切無い人なら、麻雀のことでメンタルに影響が出ることはありません。知識を身につけることは勝つために必要ですが、知識があるが故に、低確率でしか起こらないはずの不運に敏感になっている人も見受けられます。いくら偶然であると頭では認識していても、不幸があれば心が折れてしまいかねないのが人です。勝ちにこだわる人ほど、不運な出来事にも敏感になりがちではないでしょうか。
 なので、知識は十分に身に付いているけれど、知識先行型で打荘数自体があまり伸びないタイプの方は、数多く対戦をこなすことで不運も受け入れていけるようにしていくことをお勧めします。一つ一つの不運は滅多に起こらないはずのことであっても、「不運と感じるような、滅多に起こらない事象そのもの」は無数にあるので、滅多に起こらない不運に見舞われること自体は数多く打っていればしょっちゅうあることです。「どんな不運か」を詳細に書き出して愚痴を言うのが癖になっている方をたまに見かけますが、そうすると、「よくあること」と認識できなくなってしまうので、事あるごとに心を揺さぶられてしまうことになります。そのようなタイプの方には、必要なのは知識よりも鈍感力と言えそうです。どうしても対戦数をこなすのが難しいという人でも、一日何戦というように決めて、最終的な結果以外の記録は確認しないようにしていれば、自然と不運に心が揺さぶられることも少なくなると思います。

 ・ 自分の性格の逆を行く

 メンタルが影響することで起きやすいミスというのは、自分が苦手としている領域であることが多いもの。なので意識的に自分の打ち筋と逆の選択をあえて贔屓目に見積もって判断することで、より最適戦術に近づく事が出来るというやり方です。特に自分の打ち方に何らかのこだわり、ポリシーを持っている方には有力と思われます。

 しかし、自分を客観的に見るというのは難しいもの。他人のアドバイスであっても、今度はその人の主観が入り混じるので必ずしも客観的とは言えないもの。最初に戻りますが、だからこそ客観的なデータが必要になるわけです。

 こうしてみると、メンタルが人それぞれであるように、メンタルの整え方も人それぞれであり、人によっては有効な方法も別の人には逆効果になってしまう場合もある。しかも自分を客観視するのが難しいので、かえって逆効果になりがちな方法を選んでしまう人も多いということが言えそうです。戦術書という形で著す以上、「麻雀というゲームを知る」「対戦相手を知る」ことばかりを取り上げてしまいがちですが、「己を知る」、更に言えば、「己を知らせてくれる存在に出会う」ことの重要性に改めて気付かされました。

 本書のレビューはここまでとさせていただきます。次回は、「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ」のレビューに入ります。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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