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ネマタの戦術本レビュー第185回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その35」

ネマタの戦術本レビュー第185回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その35」

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四限目 講座10

 序盤で1巡あたりの良形テンパイ率が20%程度(2枚使っている牌は4枚で1種として7種程度)の手であれば、悪形テンパイ(手変わり無し)とアガリ率が大体釣り合うことが研究から分かっています。鳴き手の場合は単騎テンパイにとった後で手変わりを待つ手もありますが、鳴くとツモが1回減るので、1巡あたりの良形テンパイ率が20%程度あるのであれば、序盤は1種3枚の単騎待ちになるテンパイに取るよりはスルーした方がよいと言えそうです。

 悪形残りの2面子形であれば1巡あたりのテンパイ率の時点で20%も無いので、2面子形に関しては一度鳴いているなら、リャンメンからでも鳴いて悪形テンパイに取るべきです。一時期はリャンメン+リャンカン程度でもリャンメンからはスルーと言われていたので、以前は悪形テンパイが過小評価されていたということが分かります。

 また、リャンカンが残ると待ち選択に迷うことを嫌う人もいますが、待ちを選択できることはメリットでこそあれ、デメリットにはなりません。待ち選択で外したとしても、それは少なくとも無駄ツモを引くのと変わりませんし、場合によってはフリテンリャンメンに受ける選択肢もあるのですからマイナスにはなりません。

 よって、テンパイを外して手変わりを待つケースと同じように、単騎テンパイに取らない例としてあげられるのは、くっつき形かヘッドレス形に限ります。後は本書の例題を参考に、巡目と場況を考慮にいれて適宜判断していただければ結構です。

講座11

 役牌の片アガリテンパイに関しても、基本は通常の悪形テンパイと同程度にはアガリが見込めると考えられます。こちらの鳴きが他家から見て役牌後付けと分かる場合は絞られることもありますが、スルーしたところでアガるためには役牌を面子にする必要があり、巡目が深くなれば後付けと読まれない鳴きであってもそもそも見えてない役牌は止められやすいもの。

 一度鳴いていて打点が変わらないのであれば、序盤で他家がヤオチュウ牌を処理している段階で、スルーしていればすぐ役牌が鳴けることが期待しやすいけど鳴くと絞られやすく、役牌から鳴けば良形テンパイになるといったケースを除き後付けが読まれやすいとしても鳴いてよいでしょう。

 ただしこれはもちろん既に鳴いている場合の話。メンゼンならリーチ、ツモで打点上昇が期待できるので、安手の役牌後付けテンパイになるくらいならメンゼンリーチを目指してスルーということは多くあります。

 図Aのようなカンチャンを面子にできる場合はアガリやすさに大きく差がつくので巡目によらず鳴くところですが、図Cのような完全1シャンテン、図Dのようなくっつき1シャンテンとなると、鳴いてもスルーした場合とアガリ率に大差なく、むしろスルーした方がアガリやすいことも考えられるので、テンパイ料だけでもよしとする終盤に入るまではなるべくメンゼンリーチを目指します。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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