四限目 講座6
よく、「雀頭が無くなる鳴きは控える」と言われますが、これは、「面子候補に比べて雀頭は作りにくいため、面子候補を面子にする鳴きに比べて雀頭を面子にする鳴きはそれほどアガリやすくならないので、打点や守備力を考慮して鳴かないことが増える」ということです。雀頭よりは面子の方が作りにくいので、雀頭もポンした方がアガリやすくはなります。鳴いても3翻以上見込める手となれば、打点があまり落ちずメンゼンで進めるメリットも低いので鳴くことが多いと言えます。
ポン材を作る鳴きは、面子候補をより面子になりやすい面子候補にする鳴き(図ABC)、または浮き牌を面子候補にする鳴き(図D)があります。図Dはシャンテンが進むので問題なく鳴き。他はシャンテン数が変わりませんが打点があまり落ちないので鳴きます。
図Cでドラ無しの場合は、私はマンズがのままでもテンパイする牌以外は基本スルーとします。アガリ率では確かに鳴いた方が明確に上ですが、リーチすれば40符3翻(子ならアガリ平均点7100点)の1シャンテンと1000点との比較になるので、打点はそれ以上に差がつくとみます。
ただしアガることで他家のアガリが阻止できる効果も大きいので、この辺りはケースバイケース。テンパイはしないが受け入れが増えるあたりを引いた場合に、鳴いてテンパイしている方がよいかメンゼン1シャンテンの方がよいかで判断します。
講座7
鳴き手は面子候補を面子にしますが、孤立した浮き牌を雀頭にはしないので、雀頭が残る形、あるいは雀頭を作りやすい形の(鳴くことで雀頭ができる形)優先度が高くなります。
図Aはメンゼンで雀頭を作りやすい形がないなら両者とも優劣微妙なので、鳴き手なら雀頭固定、亜リャンメンの形を残すリャンメン落としは待ちの強さで若干不利になることが多いですが、図Bのように3メンチャンになれば今度はリャンメン落としが有力です。テンパイしないソーズ引きで更に手広くなることもメリットとして挙げられます。図Cは講座4図Dと同じことです。
講座8
ペンチャンは4枚、単騎は3枚なので目先のアガリ率ではペンチャンが勝ることが多いですが、手変わりがあるので鳴くことでツモが1回減るとはいえ基本単騎テンパイに待ちを変えます。アンコや、2つのシュンツがつながった形があって多メンチャンになりやすい場合はなおさら単騎テンパイ有利と言えます。
ただし、手牌が短くなって守備力が落ちるというだけでなく、鳴くことで手牌構成が読まれやすくなるというデメリットもあります。今回は2フーロ目なのでさほど気にすることはありませんが、3フーロ目で、しかも手変わりが少ないとなるとスルーした方がよいことが多いでしょう。
講座9
やっていることは講座8に近いですね。今回は役牌の1翻が更に追加されるのですからなおのこと鳴きます。リャンメン→単騎についても、1翻→2翻以外の打点が2倍になる手牌で、単騎待ちが比較的アガリやすいか手変わりが多い手であれば鳴くことが多いと思います。
手変わりを考慮しないとしても残り3枚の単騎待ちのアガリ率がリャンメン待ちの半分以下ということはないですが、あがれなかった場合の失点や順位点を考慮すると、打点が2倍になってもアガリの価値は2倍までにはならないので、単騎待ちが残るとアガリにくく手変わりも少ないならスルーが無難でしょう。具体的にはこちらの研究内容を御参照下さい。
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