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ネマタの戦術本レビュー第728回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その7」

ネマタの戦術本レビュー第728回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その7」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第一章 分析4

 36ページ 変化の量こそペンチャン部分からトイツが出来た時にリャンメントイツが残る打が多いですが、それでもまだ悪形残り。それよりはツモ、もしくはチーの1シャンテンの方が、鳴いても跳満に届き、鳴き込みでテンパイする受け入れが増えるので変化の質で勝ります。現麻本で「変化の量より質優先」と書きましたが、今回の手牌もその一例です。

 37ページ 「変化より受け優先」「受け入れの量より質優先」と現麻本に書きましたが、「テンパイ時にアガリやすい待ちを残す」「同じ待ちでもアガリやすいように河を作る」というのも受け入れの質を高める選択の一種です。 


 ただし、アガリに遠い段階であればテンパイする前に手変わりすることが多く、アガリやすい受けを残してもテンパイまで残ることも少ないので、受け入れ枚数に差がつかないのであれば変化を残すに越したことはないとみます。

今回のように変化より先にテンパイしやすい1シャンテン。あるいは鳴き手で河を作ることで鳴きやすくできる場合はテンパイ時の待ちの強さを優先するようにします。

 38ページ 「目先の受けより将来の受け」と現麻本に書きましたが、トイツができる変化で将来の受け入れが増えるような浮き牌についても、目先の悪形受けよりは基本的に残します。

今回なら先にをツモった時以外は残しが生きます。「どちらを切っても残る共通の受け」今回であればリャンメンがメンツになった時にどちらがよいかで判断すると分かりやすいです。

もし一手進んだところでをすぐ安牌と振り替えた方がよく、6ブロック目の面子候補が比較的安全というのであれば、危険牌先切りの意味もあるので目先の受け優先で打とすることも考えられます。

 40ページ 雀頭が無い場合、あるいは今回のように将来雀頭が無い形になりやすい場合は、雀頭を作りやすい形の価値が上がるのは確かです。
もしドラがでないなら、よりを残して打とします。

 しかし、28浮き牌よりも124の1を残した方が本当によいかとなると疑問が残ります。どちらにせよ微差とはいえ個人的には打としそうです。

 確かに残しツモが最も手広い1シャンテンになりますが、打ツモでもドラを残してくっつき1シャンテンに取れるのでそこまで劣りません。

一方打としてツモは無駄ツモです。「受けは量より質優先」と書きましたが、より質の高い受けが1種だけなら、まずまずな受けの量を例外的に優先するようにしています。

42ページ ツモなら123三色受けが残っている方がよいですが、三色が崩れるツモならリャンメンテンパイになる受け入れが残っている方がよい。両方を満たすのは打か打ですが、3トイツにつきシャンポンよりカンチャン受けの方が2枚多いことから打とします。受けかぶりペンチャンを残したうえに6ブロックに受けていることが「違和感」の正体と思われます。


 基本は5ブロックに受けますが、メンツの出来方(今回はツモとツモ)で切る牌が変わる(多くは打点絡み)場合は6ブロックに受けた方がよいことが多くなります。

 当記事でも口当たりの良くない、違和感が残る表現を多用していることは重々承知しているつもりですが、頭に入りやすい分かりやすい表現では、今回紹介された「違和感」のある打牌を説明することは私の技量では困難でした。

 強者になりたければ「一見違和感のある正着打」が打てることは勿論ですが、そもそもその正着こそが自然な一打に感じるところまで持っていけるような解説が出来ればと思うばかりです。

現代麻雀の神ワザ

本書は日本最大のネット麻雀サイト「天鳳」における鳳南(鳳凰卓の東南戦)で、麻雀強者の牌譜を見続けてきた「鳳南研究所」による書き下ろしの麻雀戦術書です。

「強者の共通点はびっくりするほど少ない」と筆者は言います。

本書では天鳳位を始めとする強者たちの打ち筋の共通点を見出すとともに、それぞれの独自のバランス感覚(他人にはマネできない本人だけの「勝ちの型」)を明らかにすることを目指すものです。

数え切れないほどの牌譜を見てきたからこそ分かる、異彩を放つ一打とその背景にある麻雀理論。

本書で「現代麻雀の神ワザ」を体感していただき、みなさんの「麻雀の型」をさらにレベルアップさせる一助にしてください。

 
鳳南研究所
単行本:1,663円
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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