- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第1章 セオリー9
ホンイツは出現頻度が高いうえに仕掛けても高打点になりやすいので、対応する技術が特に重要になります。
ホンイツっぽいと予測することは河をただ眺めるだけでもできますが、本書に取り上げられているように、一見染め手に見えてそうでないケース、途中から染め手に移行したケースを意識するとより高い精度で手牌構成を読めるようになります。最初のイメージに引きずられると手牌構成を見誤りやすくなるので、リアルタイムに推測する癖をつけるようにしましょう。
一般的なメンゼンリーチの場合は比較的安全になりやすい字牌を必要とする役であることも、ホンイツ仕掛けを意識するうえで忘れてはならない知識です。しかし、字牌か数牌か、染め色かどうか、ドラかどうかのように牌を分類すると、85ページのように、染め色の牌が切られたとはいえ、手作りのうえでも価値が低いのでテンパイしていない可能性も十分あるということを見落としがちになります。「テンパイするまで残されそうな牌が切られたらテンパイの可能性が高い」のように考えれば、あらゆる手牌、局面に対応しやすくなるのでお勧めです。言葉そのものに思考がとらわれると、場の変化に対応しづらくなります。
自分がホンイツで仕掛ける側の場合は、「仕掛けが期待できるなら先制かつ高打点テンパイが見込める」場合はホンイツを読まれにくくすることも考慮します。テンパイ→アガリだけでなく、それ以前の段階でも仕掛けて手を進めやすくなると考えれば、河を作る効果も案外大きいものです。鳴き手なので受けを狭めてまで読まれにくくすることはあまりありませんが、87ページ(2)のように、3トイツにつきトイツを外しても受け入れロスが少なく(今回はドラ表示牌なので1枚のみ)、しかも打点が下がるとなればはっきり先切りがよくなります。染め手が警戒された場合の鳴きにくさを考慮すると、もう少しロスが大きいケースでも先切りが有効になることもありそうですが、注意したいのは、そもそも警戒されていない段階で染め色の牌を切らなければ効果が薄いどころかかえって警戒されやすくなるということ。対応させる技術は上手く決まった時にいかにも実力で勝てた気になるので、ある程度麻雀に慣れるとつい使いたくなりますが、元々「駆け引き」要素は他の対人ゲームに比べれば少ないのが麻雀。使い時を見誤らないようにしたいものです。
現代麻雀の秘技 相手に対応させる技術
基礎的な麻雀戦術理論がネット上で共有されたことで、麻雀ファン全体のレベルが上がったと言われています。その中で差をつけるための技術として、今注目を集めているのが「相手に対応させる技術」です。相手の「対応する技術」を逆手に取って、その裏をかくハイレベルなテクニックとなります。
本書ではそのような戦術を論理的な解説に定評のある平澤元気プロが説明します。
(1)読みの基礎
(2)それを応用する技術
(3)ただしこれはやりすぎ
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