- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第5章 鳴きの小ワザ編
27副露目 ケイテンをマスターしろ
ケイテンを取ることに抵抗がある人も少なくないですが、その理由の一つが、「アガリ目が無くなってしまうこと」。初心者時代に鳴いたのはいいが役がなくてアガれず苦い思いをした人も多いのではないでしょうか。巡目が十分にあってアガリ目が十分にあるうちからケイテンの鳴きを入れてしまうのは、「安くて遠くて安牌の無い」鳴き以上に損な選択です。
かといって、取れるケイテンを取らないのも結構な損失になるのは本書で示されている通りです。得点の手段が「役とテンパイ形を作ってアガる」から、「テンパイ形を作って流局を待つ」に変わるので、頭を切り替えることが要求されます。
流局時点でテンパイしておく必要があるというのも重要な考え方。巡目がまだ残っているうちは、危険牌をツモっても安全なターツを落としつつ、危険牌にくっつけてもテンパイがとれる手組を意識しましょう。更に言えば、安牌になりやすいところでターツ、トイツを構成できれば将来ケイテンが取りやすくなるということ。余裕があればこのあたりも踏まえた手組ができるようにしておきたいものです。
28副露目 ケイテンを安全牌タンキに受けろ
「役有りテンパイ」なら、ツモ番はあればあるだけいいですが、「ケイテン」なら、ツモ番はなければないだけいい。よってツモ番をスキップする仕掛けが候補に挙がります。
役有りテンパイでも、良形、高打点変化で「シャンテン数の変わらない仕掛け」を入れる場合がありましたが、安牌を切りつつツモ番をスキップできさえすればいいケイテンの場合はなおのこと多用することになります。
シャンテン数の変わらない仕掛けをまとめると、①メンツ+メンツからメンツをスライドさせる仕掛け。②メンツ+ターツからターツを入れ替える仕掛け。③雀頭をポンして単騎テンパイになる仕掛け。④役有りテンパイならアガリになる牌を鳴いて雀頭を切って単騎テンパイになる仕掛け。 牌姿Aは①、牌姿Bは②について取り上げられていますが、③④はメンツ手のテンパイならどんな形でも活用する可能性があります。頭を切り替えて対応できるようにしておきましょう。
麻雀鳴きの教科書
アガリ回数を劇的に増やす!鳴きの技術
メンゼンで我慢するか、鳴くか。どの牌なら鳴くか、何巡目から鳴くか・・・。
副露はアガリ回数や得点に直結する分野でありながら、麻雀技術の中でも特に「上級者でも意見が分かれやすい」問題です。
例えば副露率40%を超える天鳳位は何人かいますが、同じフィールドで結果を出している副露率20%台のツワモノも存在します。
本書で鳴き判断の本質を学べば、悩ましい場面に直面したとき少なくともどういう道筋で考えていけばいいのかがわかるはずです。そして、そのように自分で理由をつけられるプレイをすることが麻雀では非常に重要なのです。
ぜひ本書で鳴きの極意を体得してください。