- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第3章 微差何鳴く編
19副露目 6ブロック形に要注意
「愚形は急所だから鳴く」と考えがちですが、麻雀のアガリ形は1アタマ4メンツの5ブロック。6ブロック目以降は必要不可欠ではないので愚形であっても急所ではありません。残りの形でリャンメンが揃っているなら、リャンメンからチーするのと変わらないのでスルーすることが増えます。
牌姿Cのように他の愚形ブロックが残っている場合は、鳴くことで良形待ちが残りやすくなることもあり牌姿Aよりはアガリやすくなりますが、それでも5ブロックの場合に比べればスルーしてメンゼンでテンパイすることも期待できます。手牌にドラが無く打点が不要でない局面ならスルーしそうです。
20副露目 片和了の仕掛け
片和了のテンパイでも、リャンメン×2の1シャンテンよりは基本的にアガリやすいので、鳴いても打点が下がりにくいなら仕掛ける一手です。
似たような牌姿で、 和了トップで7巡目に上家から出たを鳴くべきかという質問がありましたが、こちらはスルー寄りとみます。牌姿Aと異なり、チーでも良形テンパイになるので良形受け6種相当。良形受け7種の1シャンテンと悪形テンパイの和了率が同じくらいになるというのが一つの目安ですが、鳴いた場合は片和了かつ待ちが真ん中のなので悪形の中でも待ちが悪い。スルーした場合は1回多くツモれることも踏まえるとスルーに分があるとみます。三色が234であればどちらかと言えば鳴くくらいの感覚です。
21副露目 常にタンヤオルートへの路線変更を考える
くっつきでタンヤオがつく浮き牌と、タンヤオがつかないブロックであれば前者を残した方がアガリやすいことが多いです。メンゼンで進めるなら打点面でも前者残しが有利なので、14枚から何を切るかの判断であればほぼ浮き牌残しが正着になります。
ただし、今回は鳴くかスルーかの比較なので、鳴いて2翻以下の場合は悪形をメンツにできる場合でもスルーすることがどちらかと言えば多そうです。「悪形をスルーした場合にどの程度メンツになりやすいか」「アガリやすさをどの程度重視する局面か」によって判断を調整したいですね。
麻雀鳴きの教科書
アガリ回数を劇的に増やす!鳴きの技術
メンゼンで我慢するか、鳴くか。どの牌なら鳴くか、何巡目から鳴くか・・・。
副露はアガリ回数や得点に直結する分野でありながら、麻雀技術の中でも特に「上級者でも意見が分かれやすい」問題です。
例えば副露率40%を超える天鳳位は何人かいますが、同じフィールドで結果を出している副露率20%台のツワモノも存在します。
本書で鳴き判断の本質を学べば、悩ましい場面に直面したとき少なくともどういう道筋で考えていけばいいのかがわかるはずです。そして、そのように自分で理由をつけられるプレイをすることが麻雀では非常に重要なのです。
ぜひ本書で鳴きの極意を体得してください。