- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
第1章 序盤の手順と手筋
はじめに 令和前夜の麻雀戦術論の地盤が揺らいだ
11ページで取り上げられているマイナビ出版の戦術書、いずれも「戦術本レビュー」で取り上げさせていただきましたが、2009年発売の『最強デジタル麻雀』も以前ブログで取り上げたことがあります。
『最強デジタル麻雀』と、昨今の天鳳ユーザーによる戦術本の相違点は、本書で示されている通り、「初期デジタル」から、「デジタルとアナログの融合」への変遷とも言えるでしょう。私自身も、デジタルとアナログの融合をテーマとして戦術論を展開してきました。(ここでの「デジタル」は、定量化しやすい要素を重視する戦術。「アナログ」は、定量化しにくい要素を、定量化しにくいなりに反映させていく戦術とお考え下さい。)
「打点優先」も昨今の麻雀戦術論の特徴と言えます。実は私自身、『最強デジタル麻雀』に見られる「初期デジタル」については、打点を軽視する傾向が強いとみて戦術の妥当性を疑問視しておりました。(『最強デジタル麻雀』への疑問点については、後日noteにて取り上げることにいたします。)
それを踏まえたうえで2014年に『勝つための現代麻雀技術論』を出版させていただきました。本書の手組の内容は編者の福地氏にも打点を重視し過ぎているとの指摘を何度となく受けましたが、昨今の打点優先の流行に影響を与え、麻雀の戦術論が様々な角度で展開される時代に到来に一役買ったのだとすれば、これほど喜ばしいこともありません。
令和の麻雀最新理論
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「一時期、デジタル時代に昔の戦術論でシステムにそぐわないものは排除されてきました。『捨牌は読まない』がその典型かと思われますが、それ以外にもメンゼンの大切さなども軽視されていたと思います。
ところが最近の戦術論ではそんな昔の戦術論が見直され、さらに改良されて発表されました。これこそが新時代の理論であり、私は本書でそれをまとめる意味でも、仮定や分析を交えながら展開したいと思います」(まえがきより)
たとえば、昭和は打点重視、平成は効率重視の打ち方が流行しましたが、現在は「一定の打点を確保した上での効率重視」という、ハイブリッドな打ち筋が登場し脚光を浴びつつあります。
本書ではまず、このような昭和でも、平成でもない令和の麻雀戦術について、ユーモアを交えながら解説します。
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