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ネマタの戦術本レビュー第1140回「『これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法』編 その1 著:平澤元気」

ネマタの戦術本レビュー第1140回「『これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法』編 その1 著:平澤元気」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

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第1章 最速で勝ち組になるための思考法

①困難は分割せよ

初心者は①手牌②公開情報③非公開情報④相手の打ち筋⑤牌理以外の読みのうち、①と②のみでよいというのが本書の主張ですが、初心者でないとしても、なるべく①と②だけで打牌を選べるようにしておくことが効率よく勝ち組になるために必要と考えます。

強者が強いのは本書で言及されている通り、より多くの情報を処理できるため。①②だけでも十分正解を導ける局面にも関わらず、③④⑤を考えがちな打ち手は強者にもよく見られます。

①②を高い精度でこなせれば勝ち組になれるとありますが、①②を高い精度でこなせるようになったのは、ここ十数年で麻雀戦術の質が飛躍的に向上したためです。それ以前はそもそも正解とされがちだった選択が間違いだったことも多々あったので、③④⑤を含めた情報を処理できる打ち手がそのまま強者であることが多かったのです。

私自身、一般的なフィールドにおいては勝ち組の部類と呼べる成績を残すことができるようになりましたが、③④⑤の情報を処理するのは未だに苦手。本書にある通り、①②を高い精度でこなされば十分勝ち組になれると断言できます。「70点取れれば勝ち組」とありますが、実際は①②だけでも80点、90点取ることも不可能ではないと考えています。ただ、既に十分出来ていることの精度を更に高めるよりは、苦手なことを出来るようにした方が上達しやすいので、本書の内容を十分こなせるようになった方は、他の情報にも目を向けることをお勧めします。

②引き寄せの法則

私にとっての強者像は、『もっと勝つための現代麻雀技術論』コラムで取り上げた御三方です。ネット、リアル問わず圧倒的な成績を残しているだけでなく、一見非合理的に見える選択も、超能力の類いではなく、あくまで合理的な判断による選択であることを言語で示すことが上手い打ち手でした。

麻雀というゲームはその歴史的背景の影響から「強者のイメージ」が誤解されがちでしたが、私が麻雀にのめり込むようになったのは、麻雀戦術が歴史的転換を迎えた時期。最も恵まれた時期に麻雀を学ぶことが出来たのは大変幸運でした。

現在は新しく麻雀を始める方が「正確な強者像」を持つことはかえって難しくなったかもしれません。本書の①②③のような誤解は未だに根強く残っているうえに、麻雀関連の情報が爆発的に増えたあまり、誤解を解ける人の発信力が相対的に弱まっているためです。昨今の流行を受けて麻雀を新しく始められた方、あるいは再開される方はこの機会に是非とも、「麻雀が強いとはどういうことか」について本書を通じて学んでいただければ幸いです。

これだけでOK!麻雀初心者が最速で勝ち組になる方法

70点取れれば勝ち組になれる

一般的に強者と言われる人たちは
(1)自分の手牌
(2)捨牌や点数状況など手牌以外の公開情報
(3)公開情報から推測される「相手の手牌」や「残りの牌山」などの非公開情報
(4)相手の打ち筋や癖など
(5)相手の理牌や打牌のテンポなど、牌理以外の読み

といった様々な情報からどんな選択をするか決定しています。しかしながら、初心者がこれらの情報をいきなりすべて処理するのは不可能です。ではどうするべきか。初心者でも扱うことができる最小限かつ、より勝利に貢献しやすい情報のみをひとまずは考えれば良い、ということになるでしょう。

初心者の方が麻雀をする可能性のある多くのフィールド、仲間とのセット打ちや天鳳で言えば特上卓くらいまでのレベルを上限と考えた場合、その中で半分より上の実力を手に入れるには、(1)~(2)の情報があれば十分です。

したがって本書は(1)~(2)のみを用いて問題に答えています。結果としてそれは正解((3)~(5)も含めた強者たちの見解)とは違う選択であることもあります。しかしそれこそが勝ち組になるための最短ルートなのです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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