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ネマタの手組の達人 第14回

ネマタの手組の達人 第14回

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今回の手牌はチートイツ1シャンテンですが、メンツ手としてみると2シャンテンですがリャンメンが揃っている形。これもよく何切るで扱われる問題です。

一般的にチートイツ1シャンテンと、リャンメン以上のターツが揃っている2シャンテンではアガリ率は後者が勝ります。チートイツ1シャンテンと、仕掛けがきくトイトイ2シャンテンの比較でもアガリ率は若干後者有利。仕掛けがきかないとしてもリャンメンが揃っている2シャンテンならトイトイ2シャンテンよりアガリやすいでしょうから、チートイツ1シャンテンとの比較ならなおのことメンツ手がアガリやすいと考えられます。

ただしこれだけの理由で、良形残りならメンツ手2シャンテン有利と考えるのは早計。注意点が3つあります。1つは巡目。極端な話残りツモが2回しかなければ、どんなに手広くても2シャンテンではツモアガリの可能性がないので1シャンテンに取ります。シャンテン戻しはある程度巡目に余裕があることが前提です。

2つ目は、チートイツ1シャンテンに取った場合もメンツ手変化は残るということ。例えばなら、チートイツ1シャンテンに取っても、メンツが出来てメンツ手1シャンテンになった場合は必ず良形が揃うのでチートイツ1シャンテンに取ります。1シャンテン同士の比較なら単騎になった時のアガリやすさで打でしょうか。

3つ目は、チートイツは手狭とはいえ、「チートイツという2翻役」がつくので打点面でメンツ手より有利になりやすいということ。例えばドラなら、チートイツ1シャンテンに取るとメンツ手移行時に悪形が残る場合もありますが、チートイツとしてはドラ2になります。一方2シャンテンに戻した場合は良形が揃いますがリーチドラ1止まりになる場合もあります。打点差を踏まえれば打が良さそうです。

今回は①4巡目なので2シャンテンに戻す余裕がある②チートイツ1シャンテンに取るとメンツ手移行時に悪形が残る場合がある③ドラがトイツでタンヤオ、平和がつきやすいのでメンツ手になっても打点で劣らない 良形が揃ったうえで3条件を満たしているので2シャンテン戻しに分があるとみます。

こうしてみると、今回こそ2シャンテン戻しを想定解としましたが、案外シャンテン戻しが有力になる手牌は少ないもの。実戦心理的に、受け入れが狭くテンパイしてもアガリやすい単騎が残しにくいチートイツより、シャンテンを戻してでも良形を追いたい方も多いと思いますが、チートイツの打点は案外無視できません。②③で取り上げたのは、実力者がメンツ手2シャンテン有利と判断したにも関わらず、検証の結果チートイツ1シャンテン有利と判明した牌姿。私が人よりはチートイツの評価を高く見積もるのはこうした背景があるためでもあります。

2シャンテンに戻すなら打か打。一見どちらも形は同じで、端寄りの牌が残った方が鳴きやすいという理由で打も考えられますが、今回の想定解は打。ツモなら打として でテンパイするので、ツモで打とした場合よりメンゼンでテンパイする受け入れが増えます。メンゼンでリーチしてアガった方が打点が高くなるので、仕掛けがきく手であってもメンゼン手ならメンゼンで手が進んだ時の受け入れ優先と考えます。何切る300選の「ウイング9枚形」がこんなところで登場しました。僅差の比較なので実戦では場に応じて判断することになりそうですが押さえておきましょう。

ちなみにドラがではなくなら、条件③からチートイツ1シャンテン取りに分があるとみますが、その時は打より打がよいとみます。ツモでメンツ手1シャンテンに移行する際の受け入れで差がつくというのもありますが、この時マンズを外せばピンズチンイツへの変化が残るというのもメリットです。チートイツ1シャンテンとメンツ手2シャンテンの比較は何切るの定番の一つですが、今回の問題はその中でも面白いギミックが散りばめられていて特に印象的でした。

手組の達人第15回

 ドラ

 

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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