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第9回 ネマタの麻雀徒然草

第9回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。

 前回、前々回と麻雀のアガリの制限に関する話をしましたが、「1翻縛りも無くしてしまおう」という意見も見られるようになりました。確かに、「役が無いとアガれない」「鳴くとつかなくなる役がある」「ドラは役にはならない」、このあたりは入門者がルールを覚えるうえでつまずきやすいところです。第4回でお話した通り、そもそもリーチが採用される現行ルール以前は1翻縛り自体存在しませんでした。

 しかし実際に、役無しでもアガれるルールで麻雀を打ったことがある人はかなり少ないのではないでしょうか。少なくとも1翻縛り以外のアガリ制限、2翻縛りやナシナシに比べれば採用されているという話をほとんど聞きません。

 理由としてはやはり。ベースとなっている報知ルールの影響が大きいのでしょう。麻雀に限らず、「追加する」タイプのルール変更は受け入れられやすいですが、「廃止する」タイプのルールはなかなか受け入れられないものです。日本で現在遊ばれている麻雀には実に様々なローカルルールがありますが、ベースとなるルールまで変更されているものはあまり見かけません。(一方、海外に目を向ければ、役無しでアガれるルールもあれば、チートイツ、国士以外の4メンツ1雀頭以外の役もあれば、そもそも5メンツ1雀頭を揃えるルールもあります。)

 ルールの中にはゲームを成立させるために最低限必要な要素も含まれているので、「廃止する」タイプのルール変更がなかなか受け入れられないのは自然なことでもあります。しかし、現行ルールに含まれているとしても、そのルールがゲームを成立させるために必要であるとは限りません。1翻縛りはリーチの出現頻度を高める狙いで設けられたものと思われますが、実際は役有りだったとしても、メンゼンテンパイならリーチが多くのケースで有利になるので、役無しアガリを認めたところでダマや鳴きが大幅に強くなるということは考えにくいです。むしろ、他家リーチに対して回し打ちからアガれるケースが増えるので、戦略の幅が広がるという観点からも面白くなるかもしれません。

 個人的には、「役を付けて1翻縛りを解消するための仕掛け」も腕の出るところだと思うので、役無しアガリを採用するなら食い下がりを無しにする、ドラの枚数を減らしたり1枚あたりの加点を下げたりする等、点数計算関連でバランスを取る必要性もあるとは思います。しかしそれは後から考えてもよいことなので、ひとまずは、「今自分が遊んでいるルールばかりが麻雀ではない。」「麻雀はもっと自由に遊べる。」という考えが広まって欲しいと思うところです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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