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第101回 ネマタの麻雀徒然草

第101回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

 最近、「ひょっとしたら」という意味合いで、「ワンチャン」という言葉が使われているのを結構見受けるようになりました。語源が麻雀用語であることは様々なサイトで取り上げられていますが、そこから、「一度のチャンスをものにしたら逆転できる」と解説が続くので、まるで麻雀の「ワンチャンス」がそのような意味で使われているように聞こえてしまいます。少なくとも麻雀がゲームの一種であることは知っているけれど、ルールはよく知らないという方にはそう思われているのではないでしょうか。

 麻雀用語としての「ワンチャンス」は、同じ種類の数牌が3枚見えている状態のことです。残りの1枚だけ、リャンメン待ちを作るターツが存在する可能性が残っていることからそのように呼びます。

 しかし、英語で「chance」と言った場合は単に「機会」を表し、機会の良し悪しは問いませんが、日本度で「チャンス」と言えば「好機」(英語で「好機」は「opportunity」)を指すにもかかわらず、麻雀の「ワンチャンス」は、「放銃の可能性がある」という、どちらかと言えばネガティブな意味で「チャンス」という言葉を用いています。単に語呂が良かったからそう呼ぶようになったのかもしれませんが、「チャンス」という言葉をそのように用いるのはやはり麻雀用語ぐらい。麻雀関連のサイトを調べても理由について書かれているものが見当たらず、それどころか同じ疑問を持った人を見受けられず、「ワンチャン」という言い回しが広まった頃から気になっていたのでありました。

 一体何故だろうという疑問のまま記事を書き終えてしまうのも何だったので、今度は「chance」の語源を調べてみることにしました。

俗ラテン語 cadentia が由来です。cadentia は to fall of dice「サイコロを振る」を意味します。「サイコロを振る」ことで「運」試しをするわけです。「運」があれば「機会」を手にします。

 サイコロを振ることで運試し、運があれば機会を手にする。そうです。まさに麻雀です!…というのは冗談ですが、用語の提案者が「chance」の語源を知っていたからこそ、「チャンス」という言葉を当てはめたというのは、いかにもありそうな話だと思わされました。

 「chance」は機会の良し悪しは関係ないと書きましたが、そもそも何が良い機会なのか、その時だけでは分からないことが案外多いものです。人間万事塞翁が馬、トラブルは素晴らしいチャンス。麻雀の不運…否、それこそ人生の不運であっても、そんなふうに思って日々を過ごせたらいいものですね。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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