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第248回 ネマタの麻雀徒然草

第248回 ネマタの麻雀徒然草

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ネマタの麻雀徒然草とは
  • 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
  • 第1回はコチラ

『麻雀勝ち確システム』のレビューを始めました。こちらでは本書のコラムを読んで思ったことを徒然なるままに書かせていただきます。

コラム3 東パツダママン 格付け終了!

東パツのダマ満貫がそれほど温いとは思いませんが(待ちが悪い場合は、むしろダマ有利になりやすい)、この手のダマをする人には、ダマ2600やダマ3900の手も何となくダマにする人が少なくありません。天鳳界隈で言うところの「豆ダマ」。私も豆ダマを見て心の中で、「格付けは済んだ」と相手を舐めてかかったことがよくありました。

しかし、今ではリーチ判断の1つ2つを持ち出して打ち手の技量を測ることは控えるようになりました。リーチが最善手としても、他の選択とどの程度差があるかを判断するのは人間には難しいもの。時折豆ダマが見られても、それ以外のところで悪手が極端に少ない打ち手なら、とりあえず何でもリーチするだけの打ち手よりは実力者であるものです。

リーチ判断については、その打ち手が普段打っている環境にも影響します。一発裏ナシのフィールドで卓を囲むことが多いので、一発裏アリでもリーチ率が10%程度しかないという人もいます(例えば麻将連合の井出洋介プロは、ハンゲームの麻将リーグでリーチ率が9%しかなかったそうです。)が、それでも熟練者は一般的な打ち手と比べると遥かに優秀な成績を残すもの。リーチ最強という価値観を当たり前のように受け入れてきた身としては、「何故この打ち方で勝てるのか分からない」と驚かされますが、それだけ局面に応じた手組や押し引き判断に長けているのではないでしょうか。一発裏ナシで打つ経験から、そのような能力が養われたというのもありそうです。

と、ここまで本書の内容に異論を申し上げましたが、リーチの優位性に関する見解は今でも変わっておりません。リーチ率が低くても勝っている打ち手は、「実力がある故に、縛りプレイをしてもそれなりに勝てている」というのが実際のところでしょう。以前井出プロが(何故か「近代麻雀」ではなく、今はなき「近代将棋」誌上で)、あえてリーチを極力打たないようにしているという旨のコラムを書かれていました。ハンゲームでお会いしたリーチ率10%の強豪も同じようなことを話されていました。単に縛りプレイというだけなら、わざわざそんなことをしなくてもという気になりますが、長年の実戦でその打ち方が染み付いているから、むしろそのスタイルを崩す方がやりにくいというのもあるかもしれません。

余談ですが、以前一度だけ、大学の学祭で井出プロと同卓することがありました。こう書くと井出プロがゲストと思われそうですが、実は私の方がゲスト(現麻本出版を受けて麻雀部の方から依頼がありました。)。オーラス井出プロがと切ってリーチ。トップは倍満ツモられても逆転しないようなダントツで、井出プロは上とも下とも離れた2着目。完全順位戦にもかかわらずこの局面で井出プロがわざわざリーチ。ギャラリーの誰もがリーチを打たないのは不自然と思うような手牌ということはドラ雀頭の3メンチャン。待ちはかななどと思っていると一発で井出プロがツモアガリ。開けられた手牌はまさにその通りのものでした。

リーチを滅多に打たないとなるとそれだけリーチした時に手牌が読まれやすくなる。この打ち方でも勝てる人はそれだけ強いというだけで、やっぱり得とは言えないんじゃないかなと、何も出来ずにラスを引いた私は心の中で負け惜しみを言うのでありました。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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