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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第14回 局が決着するパターンを知ろう

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第14回 局が決着するパターンを知ろう

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「ウマ娘」という競馬ゲームアプリが人気で、Mリーガーの中でも、熱心にプレーされている方がいますね。多井隆晴選手は、YouTubeの「たかちゃんねる」で、プレーをライブ配信して人気を集めています。

競馬ファンにとって、今の5月は楽しい時期。毎週日曜日にG1レースがあり、下旬(今年は30日)には3歳馬の頂点を決める日本ダービーがあるからです。

中央競馬の平地競争は、1000メートルから3600メートルの距離で競われますが、それだけ長い距離走った馬が、差がつかないままゴールすることがよくあります。それぞれの騎手や厩舎関係者、もちろん馬自身も、全力でレースに臨んだ結果、わずか数センチの差で明暗がわかれる光景からは、勝負の世界の厳しさを感じます。

5月9日にあった「第26回NHKマイルカップ」は、まさにそんな展開でした。シュネルマイスターとソングラインの2頭がほぼ同時にゴールしたように見え、写真判定となりました(結果、シュネルマイスターがハナ差で勝利)。

Mリーグもいま、似た状況といえるかもしれません。5月16日現在、首位の渋谷ABEMASと2位のKADOKAWAサクラナイツの差はわずか0.6ポイント(600点相当)。途中でポイントが圧縮されるとはいえ、レギュラーシーズン90試合、セミファイナル16試合、ファイナル8試合、計114試合を終えて、リーチ棒1本に満たない差なのです。1試合で数万点の差がつくことも多い麻雀の特徴を考えると、驚くべきデッドヒートですね。ファイナルシリーズがどのようなゴールを迎えるのか、目が離せません。

さて今回は、同じゴールでも、「1つの局の決着」について考えます。
局の終わり方は、大まかにいうと

1 自分がツモってアガる
2 自分が他家からロンする
3 流局して自分はテンパイ
4 他家が他家に振り込む(横移動)
5 流局して自分はノーテン
6 他家にツモられる
7 自分が他家に振り込む

の7パターンあります。1~3は自分の点数が増えて、5~7は減りますね。
(ただし、3で全員テンパイのとき、5で全員ノーテンの時は点棒のやりとりはありません)

では、それぞれどの程度の確率で起こるのでしょうか。
データから見るMリーグ#16 では、Mリーグ開始以来、3年分のレギュラーシーズンの選手別アガリ率がわかります。おおむね16%台から24%台の間で、20%前後の選手が多いです。

データから見るMリーグ#18では、放銃率を見られます。8%台から13%台の間ですね。

アガリ率や放銃率は、ルールや選手のタイプによって大きく変わるので、一般化は難しいですが、簡単にするために、互角の実力を持った4人が対局し、全員アガリ率20%、放銃率12%になるモデルを考えてみましょう。下の図をご覧ください。

矢印は、振り込みを意味しています。他家3人にぞれぞれ4%の確率で振り込み、放銃率が12%になるイメージです。
逆に、他家3人もそれぞれ4%の確率で振り込んでくれるので、自分がロンでアガる確率は12%。ツモでアガる確率を8%にすれば、アガリ率は20%になります。

4人ともアガリ率が20%なので、誰かがアガる確率は80%。流局率は20%になります。
流局時にテンパイしている率は、人によって異なりますが、普通はおおむね40%台なので、ここでは40%にしましょう。

この仮定のもとでは、局の終わり方の確率は、次のようになります。

1 自分がツモってアガる   8%
2 自分が他家からロンする  12%(上図の緑のライン)
3 流局して自分はテンパイ  8%(20%の確率で流局し、そのうち40%でテンパイするので 0.2×0.4)
4 他家が他家に振り込む(横移動) 24%(上図の黒のライン。4%が6本あるので4×6)
5 流局して自分はノーテン  12%(20%の確率で流局し、そのうち60%でノーテンなので 0.2×0.6)
6 他家にツモられる                  24%
7 自分が他家に振り込む   12%(上図の赤のライン) 

自分の点が増える確率は青字の項目の合計、28%なのに対し、点数が減る確率は赤字の項目の合計で、48%もあります。もちろん上達すれば数字を変えられますが、基本的には、点数を失う場面の方が圧倒的に多いゲームなのです。

この数字はあくまで平均なので、調子がよくない時は、1半荘で一度もアガれないこと(いわゆるヤキトリ)も珍しくありません。3~4半荘続けて、テンパイ料以外の収入がほとんどないようなケースもあります。

おそらく長く麻雀を打っていると、理不尽に耐える時間が長く、気持ちが乱れることが多いと思います。私もそうです。
が、上記のような数字を頭に入れておけば、もともと麻雀とはそういうゲームだとわかり、少し気が楽になるかもしれません。

Mリーグチェアマンの藤田晋・サイバーエージェント社長は、著書「仕事が麻雀で麻雀が仕事」(竹書房)で、「キレたらそこでゲームオーバー」として、「麻雀を通じて精神力を鍛え、より強靱な『忍耐力』を身につけましょう」と呼びかけています。世の中思い通りに行かないことを知り、それをどう乗り越えるかを学ぶ意味でも、麻雀はやはり子どもの教育にも最適な教材だと感じます。

そして、耐え続けた末に、思い通りの展開にできたときの喜びは、なにものにも替えがたい価値があります。
その瞬間を少しでも多く味わえるように、練習していきましょう!

次回は、「見えている枚数を確認しよう」というテーマでお届けします。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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