東家:陽南まこ(日本プロ麻雀協会)
南家:石田綾音(日本プロ麻雀協会)
西家:成海有紗(日本プロ麻雀協会)
北家:松浦真恋(日本プロ麻雀協会)
Best16 GroupB ♯2は珍しい卓組となった。
所属先が4名とも同じ日本プロ麻雀協会なのだ。
偶然が重なった珍しい組み合わせで、少しテンションが上がった。
たまたまは重なるもので、これを書いている私も日本プロ麻雀協会所属である。
公式戦のルールが今大会と一番近い団体であるため、全員がその実力を遺憾なく発揮してくれたら良いな、なんて思ってみた。
東1局
タンヤオ・チートイツ・赤・ドラ2のテンパイを入れた松浦が即リーチに出ると、終盤に手詰まりを起こした石田が放銃となる。
ここからしばらく高打点の応酬が続く。
東2局
その放銃をものともしない石田はダブを仕掛け、ホンイツを目指し一直線に進んでいく。
これが上手くハマり4,000オールで原点復帰。ハネマン一撃くらいで倒れるほどヤワじゃあない。
東2局1本場
陽南が役牌のを叩く。
ドラ雀頭で赤もあり、満貫確定の仕掛けだ。
こういう手がアッサリと決まらないと勝負は難しくなる。
加点のチャンスを逃すことが命取りになることを知っている石田も親番で手を緩めることはしない。
丁寧な手順でリーチを放つ。
当然、陽南もこれを勝負所とし、背中を見せるつもりはない。
どちらのアガリ牌が先にいるかだけの捲り合いが始まった。
石田が引き勝ち、4,000オールを決めた。
僅か2局で松浦を捲り、トップ目となる。
東2局2本場
勢いに乗る石田は次局もと仕掛けて、役満を匂わせながら4,000オール。
首位通過に王手をかけた。
東4局1本場
苦しい立場になった陽南が役牌のを仕掛ける。
敗退争いは成海と二人の勝負となってしまい、一歩でも二歩でも抜け出したいところだ。
更にと
を叩いて高めハネマンのテンパイを入れた。
しかし、親の松浦の猛攻は止まらない。
勝負手を育て上げ、捲り合いを挑んでくる。松浦も首位通過のチャンスを逃すわけにはいかない。
競り勝ったのは松浦で、陽南の勝負手は開かれることなく卓の中央へ吸い込まれていった。
陽南まこは日本プロ麻雀協会所属の5年目である。
シンデレラファイトシーズン1で総合4位に輝いた後も、全てのシリーズで本戦出場を果たしており、今や常連メンバーの一人だ。
同期の石田や成海、後輩の松浦に負けたくないという気持ちは人一倍あるだろう。
今大会以外にも出場できる大会やタイトル戦に足しげく通い、どの会場に行っても姿を見るような選手である。
なんとか、活路を見出したい。
そう願いながら最後の親番を迎えた。
南1局
配牌はそこそこである。
ここまでくると目標は敗退を免れること一本だ。
成海との6,900点差を埋めることに集中する。
あゝ無情————
5巡目にして石田にカンのポンテンが入る。
もう時間は残っていないだろう。
必死に食らいつこうと、陽南もホンイツを目指して仕掛けを入れた。
早くテンパイを入れないと…逸る気持ちを抑えながらその時を待つ。
一番欲しかったと言っても過言ではないを引き入れ、満貫のテンパイを組めた。
これを決めることができれば未来は明るい。
次のツモでアッサリと石田の手牌が倒れる。
喜べたのは僅か0.5秒の間だけであった。
迫りくる絶望感を振り払いながら、陽南は次の手牌を開く。
南4局
オーラスを迎えて、陽南の条件はハネマンツモアガリである。
配牌からは見えないハネマンを探し、刻一刻と時間だけが過ぎていく。
ハネマンの可能性を見つけることもなく、石田のアガリで試合は終了した。
大荒れとなった打撃戦を制し、次のステージへ進出したのは松浦真恋。
石田綾音と成海有紗は♯3へ駒を進め、再戦することとなった。
ここで敗退となったのは陽南まこである。
決して大きなミスをしたわけではなく、牌の巡りに弄ばれてしまったような一戦であった。
直向きに麻雀と向き合う彼女に、麻雀の神様が微笑むことはもう少し先の話のようだ。
きっと、その姿勢を貫き通せばいつか微笑んでくれるだろう。
少しだけ意地悪な神様である————
Day6結果レポート
#1,#3観戦記
りょかぴが気合いと根性でつないだ親番の結末【シンデレラファイト シーズン4 BEST16 GroupB #1 担当記者・中島由矩】
準備中【シンデレラファイト シーズン4 Best16 GroupB #3 担当記者・】