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りょかぴが気合いと根性でつないだ親番の結末【シンデレラファイト シーズン4 BEST16 GroupB #1 担当記者・中島由矩】

りょかぴが気合いと根性でつないだ親番の結末【シンデレラファイト シーズン4 BEST16 GroupB #1 担当記者・中島由矩】

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新人女流に限定したこのシンデレラファイトに限らず、麻雀というのは、同卓者が親しい仲間であるというケースが少なくない。

「りょかぴ」こと望月涼香から見て、西園遥は同じ職場の仲間で、小條薫は同じ団体RMUの仲間だ。梶梨沙子との間には何かないかな…と思ってインタビューを見ていたら、望月は「昨日一緒に飲んでた。」と笑顔で語った。同郷だそうだ。

筆者の勉強不足だったら大変申し訳ないのだが、望月以上に【お酒】を連想させるシンデレラを他に知らない。

望月は「めちゃくちゃ美人だし、タイトル取ってるし、面白いしかっこいい。」という理由で、柚花ゆうりさんを目標としている。そう言えば、柚花さんも麻雀バーの経営者だ。

それにしても、望月の酒好きは筋金入りで、特に野外で飲むのがいいと言うから驚く。冒頭のインタビューで「公園には、いい公園と、悪い公園があるんですけど…。」と話し出した時には、少し不安を感じたくらいだ。これは放送して大丈夫なやつなのだろうか。

先制したのは西園。東1局0本場の4巡目にドラの[⑨]タンキでリーチを選択すると、時間はかかったものの、14巡目にツモアガリ。

同じ店で働く望月からのバトンと声援を受け、このBest16GroupB♯1を見事トップ通過。次戦は自身初となるSemiFinalに臨む。

東4局0本場に、巧みなアガリを拾ったのは小條。

[中]ポン、カン[八]チーと仕掛け、最後は山に4枚残っていた[③][⑥]をとらえて加点する。2本場で、なおかつ供託も3本あったのが大きかった。

南1局0本場の親番で、気を吐いたのは梶。

場風の[南]を暗刻にすると、[五][八][3][6]という2度の両面テンパイの誘惑に負けず、ドラの[東]タンキを見事にツモアガリ。4000オールを手にして抜け出す。

そんな中、ラス目に沈んでいた望月が、気合いと根性で親番をつないだのは、南3局だった。

対局後に、「なかなかテンパイが入らなくて…。」と語った場面は、流局間近の実に17巡目。下家の西園からリーチを受けながらも、泥にまみれ、はいつくばってもぎ取ったテンパイだった。しかも、打[四]で三面張に受けるとフリテンになるというおまけつきだが、望月はテンパイを取り、細い細い糸を懸命に手繰り寄せる。

続く南4局1本場は、ドラの[七]ポンから発進して場を制圧した。しかしながら、テンパイを入れたのは最終手番。アガリの可能性はなくとも、大きな加点は望めなくとも、望月は必死にテンパイを取り、決して次局の親番を手放さなかった。

野球やサッカー、バスケットやバレーのようなフィジカルスポーツと違って、麻雀は必死さや一生懸命さがなかなか伝わりづらい頭脳スポーツだ。汗が激しく飛び散ったり、ライバルとにらみ合ったりするシーンは、ほとんどないと言っていい。

しかし、その手つき、手組み、副露判断、指先、表情を見れば分かる。望月は、決してこの勝負を諦めてはいない。

麻雀を愛する1人の人間として、筆者はとても悲しい。望月にとって致命傷になったのが、上記のように、望月が自身の親番を粘って粘ってつなげた南3局3本場のことだったからだ。いわゆる「ご褒美配牌」とか「ご褒美展開」のようなものはないのだろうか。望月は粘らなければよかった、とでも言うのだろうか。

まずは西園がペン[③]待ちで先制リーチ。ドラが[②]で手替わりも乏しいと見て、一気に勝負をかける。

望月も気持ちは同じだった。赤[赤五]と赤[赤⑤]のくっつきに構えていたところ、形はやや不満ながらツモ[三]をとらえてテンパイ。蛮勇を奮って赤[赤⑤]を叩き切り、即追いかけリーチを選択した。もう腹は決まっている。この勝負に勝って、SemiFinalへ。

実はこの[③]、梶が3枚抱えてテンパイを入れており、山には残り1枚しかなかったのだが、

ラス牌をつかんで放銃。6400は7300となって、望月は静かに力尽きた。対照的に、供託2本も手に入れトップ目に立った西園は、通過を果たしたのだった。

 

最後になるが、「この物語の結末を語る」という意味において、オーラスを描かないわけにはいかない。

 

東家・西園遥 34500

南家・梶梨沙子 29400

西家・小條薫 23000

北家・望月涼香 13100

 

望月は9900点上の小條を、満貫ツモでかわすことができる。直撃なら5200でもOKだ。しかし、小條以外の、西園や梶からの出アガリだと、12000が必要になってくる。

そんな中、望月が4巡目にかけたリーチはこの形。[白][発]のシャンポン待ちは、どちらをツモってもラス回避できるものの、西園や梶からの出アガリはどちらも裏3が条件となる。小條が守備を固める中、

梶の手から[白]が放たれた。

裏3なら、望月は♯3に進める。しかし、その[白]に一瞥もくれず、望月はツモ山に手を伸ばした。可能性がある限り、シンデレラとしての誇りを胸に、最後の1牌まで自分らしく、前を向いて戦う。それが麻雀に対する誠意だから。

 

しかし、どんなに想いが強くても、山にない牌は引けない。また、梶から出た牌を見逃したことにより、小條からの出アガリもできなくなっている。望月は流局を確認すると、静かに手牌を開いてみせ、そして席を立った。

 

目標とする柚花ゆうりさんがそうであるように、【お酒】のイメージは、ともすれば麻雀に対して真摯に向き合っていないようにも思われがちだ。柚花さんはタイトルを獲って雑音を振り払い、望月はその機会を今日この試合で失った。

 

しかし望月は今、それを承知で、次の新しい道を切り拓こうとしている。麻雀が、大好きだから。

 

Best16GroupB♯1で、トップを獲得した西園遥は、SemiFinalへとコマを進める。愚形や山に残り少ないテンパイでも、力強くアガリをもぎ取る力強さは、令和のシンデレラ像に相応しいと言える。

 

2着の梶梨沙子と3着の小條薫は、♯3で仕切り直す。6年目の梶・7年目の小條、ともにこのシンデレラファイトで人気と実力を伸ばしてきた2人だ。筆者も早くこの観戦記を書き終えて、♯3を見たい。

 

無念のラスになってしまった望月涼香は、反省会の中で「清々しい気持ちです。」と言い残した。「友達も勝ち残ってるし。」とも。

 

最後に、筆者の大好きな写真を紹介して、この稿を締めよう。

シンデレラファイトでは、このように、その日同卓する4人で一緒に写真を撮るケースが少なくない。プロの写真家が手がけた宣材のように、技術的に優れているわけではないが、4人の関係性やこの試合にかける想いが真っ直ぐ伝わってくる1枚だ。SNSに上がるものもあれば、あまり話題になることなく、ひっそりと消えていくものもある。

望月がバトンを託した仲間たちは、次どんな素敵な戦いを見せてくれるのだろう。今からワクワクが止まらない。

Day6結果レポート

#2,#3観戦記

少しだけ意地悪な麻雀の神様【シンデレラファイト シーズン4 BEST16GroupB #2 担当記者・坪川義昭】

準備中【シンデレラファイト シーズン4 Best16 GroupB #3 担当記者・】

公式HP

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