団体の垣根を超え、現在の麻雀界を代表する最高のトッププロ達14名を招いて開催される長期リーグ戦「藤田晋invitational RTDリーグ」。
2017年はAbemaTV(アベマティーヴィー)で全ての対局が放送され、数多くの視聴者を獲得。麻雀チャンネルの枠を超え、AbemaTVを代表する番組の一つとなっている。
そこで前回(2016年6月)に続き、張敏賢プロデューサーにインタビューを行い、予選の総括や前回は聞けなかった裏話を聞いた。
▼前回のインタビュー
今もっとも強い麻雀プロが激突する最高峰のリーグ戦「藤田晋invitational RTDマンスリーリーグ」プロデューサー・張敏賢プロにインタビュー
連続ドラマのような週2回の定期放送がヒットした
-----今日はよろしくお願いします
張:よろしくお願いします。まずはいつも大変多くの方々にご視聴いただき、本当にありがとうございます!
昨年も準決勝のタイミングでやりましたが、途中で終わってしまってすいません・・。
これを見ている方は熱心なファンだと思うので、その時に話せなかった事も含めて色々とお話しましょうか。
-----まずは長い予選も終わり、準決勝も折り返し地点を迎えましたね。
はい、今期も準決勝メチャ面白いですよね。昨年も凄かったので個人的にもう少し見たいなと思い、今期は2回延ばして10回にしたんですよ(笑)
少し上位と下位の差が開きましたが、まだまだドラマがあると思います。
先に予選の話をすると、昨年の盛り上がりから今期への期待度も上がる中、出場プレイヤーの皆さんがその期待以上の戦いを見せてくれて、素晴らしいものになったと思います。
特に最終戦は、BLACK/WHITEで対照的な対局になりましたが、最後の最後での藤田社長の奮闘と多井さんの四暗刻は本当に感動的でした。
あの状況では淡々と終わるのが普通な所、最後まで凄い対局になるという・・・全くプレイヤー達のおかげなんですが、このリーグの素晴らしさを象徴した締めくくりになったんじゃないかと思います。
昨年の1-3位のプレイヤー達が予選敗退となった、波乱とも言える結果にはなりましたが、結果の良し悪しは関係なく、対局に解説に奮闘していただいたプレイヤーの皆さんと、108試合を全て実況していただいた小林未沙さんには感謝とリスペクトしかないですね。
▲昨年のチャンピオン・多井隆晴は、予選最終戦で四暗刻をアガるも無念の予選敗退
-----予選終了後のインタビューも、感動したとの声が多かったようですね。
予選は収録も放送も半年以上やってますが、今期は放送数が倍になり、こちらもずっとご覧いただいたファンの皆さんも、その分思い入れが増した所があるかと思います。
週2回定期放送の編成もハマり、連続ドラマを見てる様な感覚もあって、勝ち上がった人だけではなく、未沙さんも含む出演者全員にちゃんとスポットを当てたかったんです。
なので事前に、結果に関係なく予選を総括して貰うインタビューやります、とお願いしてあったのですが、最終戦が終わってそのまま撮ってますからね・・・。
僕も現場でちょっと怯みましたが、皆さんが気持ちよくご協力してくれて。
そのおかげですが、良い締めくくり方になったとしたら嬉しいですね。
-----藤田社長のインタビューには来期メンバーのお話も出てましたが?
早速きましたね。メンバー選定は、番組タイトル通り藤田社長が決めてますが、その件はノーコメントでお願いします(笑)
代わりに少し遡りますが、今期予選の組み分けがどう決まったかお話しましょうか。
噂されていた昨年の最終成績ベースでは無く、予選で当たらなかった人達と、分けた方が良い人達ー例えば今期加入組で同団体の内川(幸太郎)プロと猿川(真寿)プロなど・・・がいくつかあって、それを並べたらああなったんです。
結果ホワイトの方に実績ある方が固まったかな?と思ったのですが、昨年の予選通過者ベースで考えると、ブラックの方が多かった。であればとそのまま決めたという訳です。
色んな事がコメント等であれこれ推測されてたりしますが、いつも楽しく拝見してますよ。
来期の話も楽しみにしております(笑)
トッププレイヤーの戦いを魅力的に伝えることで、麻雀のイメージを変える
-----今期から見ている方のために、番組テーマなどをお話いただけますか?また2年目の今季、反響はいかがですか?
まずご存知の様に「各団体のトッププロが長期のリーグ戦を戦い、誰が強いのかを決める」という事が大きなテーマです。始まった経緯は前回をご参照いただくとして、その後にお話できなかったことを・・。
番組開始時に藤田社長から言われたのは、それまでにも麻雀番組は多数あったものの、麻雀を打ってる人でも見た事がない人も多いだろうし、もちろん一般的に見れば麻雀プロの世界や存在はまだまだ知られていない。
AbemaTVはメディアとしての特性から、麻雀を知らない人でも何となくザッピングして見る機会も多いだろう。
その時に、麻雀にもこういう世界があったんだと思って貰えると良い。
既存のファンだけでなく、広い範囲で麻雀プロの戦いの魅力を伝えると同時に、トッププレイヤー達の認知を上げて、麻雀に対する一般的なイメージを変えたい、という事でした。
なのでパッと見の印象が大事、と画面や各素材のデザインに拘ったり、プレイヤーの顔を出来るだけ露出させたり・・、元々あれだけのメンツが揃っていて、未沙さんが実況しますから、肝心の対局部分は全く心配ないですよね。
その素晴らしい対局と選手達の魅力をできる限り効果的に伝えることでその目標に近づきたい、とスタッフ一同で試行錯誤しながらやってきたという感じですね。
おかげさまで今年も数字は伸びたそうで、反響も大きくなったと実感することもありますね。
特にAbemaTVの力で、若い世代に反響が及んだのは本当に凄いことです。
その世代では麻雀に対するイメージが改善されているっていうニュースも見ましたし、最近例の番組Tシャツ来てたら街で(雀荘でなく)声掛けられたことが2回あって(笑)、どちらも20代前半の方でしたし。
一方でウチの店に来てるお客さま、麻雀人口の中でも一般層に近い所かと思うんですが、番組を見てる方はまだ2割くらいだと思います。もちろん皆さんAbemaTVは知ってるし、その中に麻雀チャンネルがあるってことも何となくはご存知で、見てもらえれば面白さが伝わるかと思います。
そのきっかけとして、大げさですが将棋の藤井さんみたいな大きな話題が起こると理想ですが、なかなかあるものじゃない・・。
決して満足してるわけではないですが、評判を呼んでご覧いただいている方も増えたし、まずは麻雀を打っている方々にもっと見てもらえるように精進あるのみですね。
ちなみに出演者の皆さんもいろいろと反響あるみたいですね。誰とは言いませんが、結構モテてる方も多いらしいので、それは良かったかなと(笑)
▲レイアウトに顔を出すことも認知させる一つの手法
番組制作の裏話について
-----番組制作上の工夫のお話が出ましたが、詳しいお話を聞かせていただけますか?また苦労されたことなや裏話などありますか?
うーん、各所の話を細かく話すとキリがないんですよね。
それと、麻雀番組は対局と実況解説の内容で全て決まるといえますから、基本的にこちら側の話はおまけみたいなものですよ。
長くやることって最初は飽きられないか心配だった所もあったんですが、逆にそのメイン部分の素晴らしさがより深く伝わることに繋がったし、対局と各プレイヤー達をより魅力的に伝える為の細かい演出とも、上手く絡み合ったんじゃないかと思います。
基本的にトッププロ達の対局はどれも面白いので、たまに「他の番組が見れなくなった」なんてコメントを見かけると、勝手に制作サイドのお手柄として受け止めて喜んでます(笑)
まあ1年中何かしらありますし、普段からあれこれずっと考えてはいますね。
ギャグとして聞いて欲しいですが、こないだ移動中に、準決勝で躍進著しい勝又(健志)プロのことがふと浮かんで、そういえば予選の後半からバランス変わった感じがあったな、と。
それを示す数字の話があれば次の放送で使えないかと気になっちゃって、途中で電車降りて喫茶店に入り、2時間くらいデータと結果を洗い直したり(笑)
その結果、ここからここまでと、その後でこういう所がこれだけ違う、と明確に出れば使えますが、必ずしも出るとは限らないし、実況で使えても数秒で話が終わったりする時もあります(笑)
もちろん非効率なのは承知ですが、こういう小ネタの用意も自ら毎回やってますね。
苦労話というか、僕が一番の熱狂的なファンというお話でした(笑)
今期予選は本数増えましたが、スタッフの人数は変わってないんですよ。
ディレクターの上田さんを始め素晴らしいスタッフさんのおかげで、何とか乗り切りましたね。
ただチェックも重ねてますが、色々ミスも出ました・・。視聴者のみなさまには本当に申し訳なかったです。
オンエアを見る時は、テロップ等でミスはないか?はもちろん、実況でこういう話をしてもらえば良かったとか、コメントの反応とか・・未だに凄く緊張して見てます。
-----プレイヤー達にはどんなお話をされるのですか?
開幕時に皆さんに伝えるのは「とにかく自分が勝つ為に、全力で戦い抜いてくれれば十分です」ということだけです。
当たり前のことですが、要は麻雀中に、放送だからどうとかは気にしないで大丈夫という確認ですね。
それだけのプレイヤーが揃ってますから。
ただし、インタビューは随時行うし、色んな所でカメラを回します。話したくない時もあるかもしれないけど、それは覚悟してください、と。
開催中も、基本がそうですからなるべく余計なことは話さず、必要がありそうな時にはフォローする感じですかね。
仕方ないですが、結果が出ないとコメントでもあれこれ悪く書かれますし、そういうのを出来るだけ引きづらない様にとか。
-----コメントはどの位見てますか?
結構見てますよ~!今年でいうと「俺たちの月9」とかメチャ嬉しかったです!
あと「例えば~」で勝又プロが人気が高まったりしましたが、そういのが目的の一つでもあるし、本当に嬉しいですね。
ちなみに今年一番笑ったのは、村上プロがサイコロ降る時に胸に手を合わせるタイミングで「モミっ」って一斉に書くやつ(笑)最近見ないですが、またぜひお願いしたいですね(笑)
一方でプレイヤー達が悪く書かれるのは、本当に心苦しいですね。
たまに漏れる声などで、プレイヤーが叩かれたりしますが、こちらがマイク付けさせてるんでプレイヤーは悪くないですから。こういうのはキツいです。
言われのない中傷は控えてほしいですが、まあ見方や楽しみ方はそれぞれなんで、基本的には好き勝手やってくださいという感じですね(笑)
-----麻雀チャンネルでの他番組にも携わっていらっしゃいますが、RTDリーグとの違いはなんですか?
当然他の番組も全力で取り組んでますが、やっぱり特別な思い入れがありますよね。
各団体でのリーグ戦に近い形で行うこの番組は、一番麻雀プロが麻雀プロらしい戦いをする場であり、それが他番組との違いと言えますが、僕の念願でもありました。
最初に藤田社長から言われた事を話しましたが、社長のお話は全く同感だし、僕もその為にこれまでやってきたと言えるんです。
これ以上無い形で念願だった舞台を作っていただいた訳ですから、相応の覚悟を持って取り組んでますね。
出ているプレイヤー達も同世代で一緒に戦ってきた方も多い中、立場は昔と変わりましたが、彼らが人生掛けて戦ってるのと同じく、僕も一緒の気持ちで戦っているという感じです。
覚悟を持って戦ってるというのは、藤田社長も同じで、インタビューで仰ってましたが、収録日も拘束時間も増えた今期は、本当にご苦労されたと思います。
実はこれ、当然開幕前から懸念されていた事だし、2つ出るのがずるいってよく揶揄されたりもしてたので、1つにしようかという話もあったんです。
元々自分が麻雀打てる場を、という事で作ったのに少なくなるのはやだな、と冗談めかしてましたが、先に話した目標のためにはご自身にしかできない役割があるという事で、苦労されるのを覚悟の上で継続したんです。
両予選で勝って優勝したいという事にも本気で取り組むのはもちろん、その上で麻雀が少しでも注目を浴びるように、ということですね。
あのインタビューで皆さんにも伝わるものがあったと思いますが、ご自身からは絶対言わない事なのに、話して大丈夫かな・・?(笑)
話したのはですね、終わったことはともかく、来年についてのご決断には皆さんも尊重していただければと思ったからです。
もちろん僕も出て欲しいですよ!単純にいちプレイヤーとして魅力ありますし、尊敬してますから。
プロ達も戦う相手ながら実力を認め、いちプレイヤーとして尊敬しているし、同じく社長もプロ達に敬意を持って接している。こういう信頼関係のようなものは各プレイヤー間にもあると思うし、それが番組にポジティブな影響を与えてますね。
ちょっと話が逸れましたが、ついでにもっと個人的な話をして良いですか?
実は同世代のプレイヤーで、ここにいてもおかしくなかったかもしれない人がそこそこいるんですよ。
あくまで当時の話ですが、今活躍してる皆さんと同じ位才能もあったし実績も出したけど、長く続けるのは本当に大変な世界故に、何らかの事情で麻雀から離れていった人達です。
僕もその一人になりそうだったんですが、他の人より諦めが悪くて麻雀から離れられず愚直にやってきたら、たまたま運よく藤田社長に出会ってこうなったんですね。
だから凄く勝手になのですが、無念にも離れざるを得なかった彼らの弔い合戦をやっている、という感覚は僕の中でメチャありますね。みんな今何してるのかも分からないけど、もし彼らがどこかで楽しんで見ててくれたとしたら、とても幸せですね。
▲昨年準優勝の藤田晋社長は過密スケジュールを縫って参戦した。藤田社長と打ちたいという経営者の声も多い。
準決勝15回戦からは順位による対戦相手が決定
-----最後に今後の戦いについてお聞かせください。
はい、準決勝からは生放送になりましたが、やっぱり臨場感と緊迫感が違いますし、現場の雰囲気もまだ前半戦ながら予選とは変わってきてますね。
例の控えスペースでの感想戦も、もちろん撮影はしてるんですが、選手間の会話が圧倒的に短くなってきてますね。前回多井さんが解説だったんで、「あれ?みんな全然喋んないじゃん!?」なんて言ってましたけど、それが自然だと思います(笑)
これまでも凄い戦いでしたが、後半のこれからがより一層プレッシャーがかかってきて、いよいよ本当の勝負所が始まってきます。
上位3名の強さが目立った前半戦でしたが、まだ5回ありますし、下位陣の逆襲が成功するか?が見所ですよね。
特に今期初出場組の猿川プロ・平賀(聡彦)プロの戦いに注目してます。
現場の空気も本当にピリピリしてきますが、あの空気感大好きで、番組的にはちょっとやりづらくなるけどワクワクします。
こういう所もできるだけ伝わるように取り組んでいきますので、お楽しみにしてください。
次回は6回戦と長丁場ですが、放送中にプレイヤーへの応援コメントを拾ったりしますので、皆さんもご一緒に参加していただければと思います!
喋りは得意でなくあまり気が進まないのですが、僕もまた少し出演します・・後半の順位戦について説明しますが、失敗した時に為に予めここでもお知らせしておきますね(笑)
全20回戦中一人7回戦、つまり14回戦で均等に3回ずつの総当たりとなり、その後15回戦からは順位戦になります。
5678位・1234位、2468位・1357位、最後がいつもの1278位・3456位という形です。
どうせ半端な対戦数になるなら、とこのような形にしてみました。最後以外は1位が後攻めの形になり、多少のアドバンテージがあります。
決勝最終日まで進むのは時間が係りますが、今期から力を入れている、プレイヤー達の勝負に賭ける思いや背景など、壮絶な戦いから生まれるドラマもお伝えしていきますので、ぜひ決勝までお見逃しなく!
-----本日はありがとうございました。
RTDリーグ視聴方法:AbemaTV( PC版 / iOS / Android)
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