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ネマタの戦術本レビュー第1217回「『麻雀「超コスパ」上達法』編 その6 著:金太賢」

ネマタの戦術本レビュー第1217回「『麻雀「超コスパ」上達法』編 その6 著:金太賢」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるもの、または更に掘り下げたい部分等を取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

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第2章 攻めを覚えたら次に取り組むこと

超コスパ戦術,17

本書に限らず昨今の戦術書は、「愚形のみ手でリーチしない」と書かれてあるのが主流ですが、愚形のみ手でも先制でありさえすれば、すぐにでも追っかけリーチが入らない限りリーチ有利という研究結果もあります。

しかし、実戦で愚形のみ手のテンパイが入った場合に、強者はリーチを打たないことが多いというのも事実。理由はいくつか考えられますが、その一つが次項以降で取り上げられているような手変わりの存在。手変わりを考慮せずともリーチを打つかどうか微妙なのですから、多少でも手変わりがあればリーチを打たない方がよいと判断しているということです。

本書ではテンパイからの手変わりを取り上げていますが、テンパイ以前の段階なら有効牌も多く更に手変わりが期待できます。強い手変わりを意識できるようになれば、分があまり良くない手でリーチすることも減るのではないでしょうか。

超コスパ戦術,18

七対子テンパイの場合はこちらの研究にもある通り、3〜7牌単騎の場合はリーチとダマの比較は微妙。七対子ならテンパイ以前の段階でよりアガリやすい待ちを残しやすいはずなので、とりわけアガリやすいとも言えない単騎が残る理由は、①序盤でアガリやすい牌を引けないままテンパイ②メンツ手との両天秤からのテンパイ③他家に切りづらい牌を止めていたらテンパイ あたりでしょうか。①なら手変わりが期待しやすい。②ならメンツ手メインで進めているので、チートイツ本線で進めた場合よりアガリにくい待ちが残っている可能性が高い。③の場合もアガリにくい待ちが残ることが多く、失点回避の観点からもリーチが打ちづらい。以上より実戦的にはダマにすることが多いと言えそうです。

七対子は手変わりしても待ちが1種類のまま(打点変化もドラ引きくらい)ですが、メンツ手の単騎テンパイに関しては待ちが増える手変わりも多いのでアガリにくい中張牌待ちならなおのことダマ推奨。手組に慣れていないとリャンメンテンパイにできていたにも関わらず、雀頭ができる受けを取りこぼして単騎テンパイが残ってしまうこともよくある話。手変わりを待った方がよいテンパイになることが多いのであれば、テンパイ以前の手組に改善点がないかも意識しておきましょう。

超コスパ戦術,19

カンチャンテンパイと、5巡後のリャンメンテンパイのアガリ率が同程度という研究があります。麻雀牌は34種あるので、平均5巡でリャンメンでテンパイするには34を5で割って6.8であることから約7種必要であり、本書の5種では足りないことになってしまいます。

しかし、実戦的には5種程度でも手変わりを待つことが多いでしょう。何故なら手変わりがリャンメンへの変化だけしかない手牌はむしろ珍しく、打点が上がる手変わり(平和、タンヤオ、ドラ、各種手役)を含むことがほとんどであるため。更に言えば、本書で取り上げられているようなテンパイ維持からの手変わり待ちであれば、そのまま1種のアガリ牌をツモるなり他家から出るなりするのも手変わりのようなものです。

毎回手変わりの種類を数えるのは手間がかかるので、のような四連形、のような中ぶくれ、あるいはのような打点を上げる浮き牌に着目して形で判断することをお勧めします。四連形や中ぶくれ形ならリャンメンテンパイ4種、なら打点アップ5種(うち2種はリャンメンテンパイ)。つまりこれらに+αがあれば、本書の手変わり基準を満たせるということになりますね。

麻雀「超コスパ」上達法


最短ルートで雀力がめきめき向上! これまで存在しなかった画期的な「第二の麻雀入門書」!

初心者のための戦術書をつくりたい。本書はそんな金プロの思いから生まれたものである。 「麻雀のルールを覚えた人」「これから麻雀を強くなろうとしている人」のために、最短で麻雀が強くなるテクニックを解説。絶対に押さえておきたい役作りの原則や牌効率の基本、実戦で差が出る鳴きやリーチ判断、オリの極意、さらには平均順位を押し上げるトッププロ直伝の上級テクニックまで、3ヵ月間で強者と肩を並べられるようになるカリキュラムを組んだ。
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●著者プロフィール
金太賢(キム・テヒョン)
1983年1月27日生まれ、兵庫県神戸市出身。
脱サラ後に日本プロ麻雀協会4期生としてプロデビュー、A2リーグまでストレート昇級、1年後に最高峰のA1リーグへ。2017年に団体最高タイトル「雀王」を獲得すると、その勢いで「麻雀最強位」も獲得、翌2018年も「雀王」を連覇。現A1選手の中で連続在籍記録2位、降級未経験記録1位。

高い雀力と解説の分かりやすさに加え、トレードマークの派手なシャツで人気を集め、Mリーグの解説、ABEMAのRTDトーナメント、MONDOTVのモンド杯、など様々な麻雀番組でも活躍中。今最もMリーグに近いと言われるプロの1人。
普段は健康マージャン「まーすた」で麻雀の普及活動に努めている。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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