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ネマタの戦術本レビュー第608回「多井熱 著:多井隆晴  その11」

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 対局以外のバラエティ企画があってもいいですが、麻雀が全く関わらないものばかりになると本末転倒だと思うので、麻雀要素があるとなおのことよいと思います。最近では、将棋棋士が歌っている最中に詰将棋を解くという、「詰将棋カラオケ」が人気を呼びました。

 麻雀でも「何切る問題」は客観的な解答を示すのが難しいですが、特定の条件から牌姿を言い当てるタイプの「麻雀パズル」であれば同じような企画ができるのではないでしょうか。難問をいとも簡単に解いてみせればプロ雀士としての評価にもつながりますし、麻雀の魅力も伝わると思います。

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 麻雀は打牌選択に関して言えばいくら選択肢が広くても最大で14択で、ごく基本的な知識が身に付いていればほとんどのケースで2〜3択に絞れます。しかしそれでも、毎回最善の選択を続けることは最強クラスの打ち手でも困難なことです。麻雀はゴールが果てしないゲームというよりは、ゴールは近くにあるにもかかわらず、罠がたくさん仕込んであって簡単に転んでしまうゲームというのが私のイメージです。

 ですから、「努力すれば一生上達する」というのは正しいですが、努力の方向性が本当に合っているのかを検討することを怠らないようにしないと、かえって弱くなってしまう恐れもあります。「自分と違う打ち筋の打ち手の打牌選択こそ集中して見る」というのもそうならないための一環と言えます。

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 話は変わりますが、MTG(マジック・ザ・ギャザリング)の某プロは、対局の場に彼女を連れて来ていました。そのプロは、彼女と結婚して間もなくの世界規模の大会で優勝しました(しかも日本人初)。

 優勝が決まった瞬間に会場に居合わせた彼女の「食器乾燥機!」(おそらく、優勝したらその賞金で買うという約束をしていたのでしょう)という叫び声は一生忘れることがなさそうです。麻雀界でもそういうのがあるとより一層盛り上がるかもしれません(笑)

本記事に関するご紹介

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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