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ネマタの戦術本レビュー第609回「多井熱 著:多井隆晴  その12」

ネマタの戦術本レビュー第609回「多井熱 著:多井隆晴 その12」

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 「メンホンチートイツ」は確かに、「頭痛が痛い」のような二重表現に相当する言い回しです。しかし、二重表現は必ずしも誤用ではなく、慣用句や強調表現として定着しているものもあります(例えば、「事前予約」)。多井プロの指摘通り、私も強調表現の一つとしてそのまま用いています。

 1シャンテンを「シャンテン」と呼ぶのも本書の通り慣用的に認められるものと思いますが、こちらは麻雀用語に親しくない人に誤解を招きやすい表現ではあるので、小林プロの指摘があってからは使わないようにしています。

 ただ、麻雀はルールレベルでの用語は統一されていても、戦術を語るうえで必要になる用語は統一されていないという現状があります。例えば、麻雀で、「ターツ」と言えばリャンメンターツ、カンチャンターツ。ペンチャンターツの3種類を指し、トイツやリャンカンは含みません。しかし、これらも1手で面子を完成させることができるという同じ性質を持ちます。「1手で面子を完成させることができる組の総称」を表す決まった言葉が実は存在していないのです。

 私は現状、「面子候補」と表現していますが、完成面子や、面子を完成させるのに2手かかる組についても面子候補と呼ばれる場合があります。同じ言葉でも場合によって指す意味が変わるというのは日常会話ではよくあることですが、専門用語が統一されていないというのは、戦術を書くうえで何かと不便なものです。

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 前回に続きMTGの話になりますが、一般的な知名度に関しては、15〜20年前よりもむしろ下がっているかもしれません。当時は少年誌にMTGを扱った漫画が連載されていましたし、コンビニでカードが販売されていたこともありました。

 しかし、全国規模の大会への参加者は、2000年頃に最も参加者が多かった大会に比べても2倍以上、少なかった大会と比べれば10倍以上にまで増えています。カードの値段も大会への参加費用も大幅に値上がりしているので、敷居自体はかなり上がっているにもかかわらず、コアなファンは大幅に増えているのです。

 麻雀の敷居を下げる試みに異論はありませんが、競技人口を増やすことより、麻雀は好きだが、麻雀界のことはよく分からないしあまり興味が無い、あるいは、勝つために何をやればいいのかがよくわからない層向けのコンテンツを充実させることに力を入れてはいかがでしょうか。麻雀より競技人口が遥かに少ないゲームでもコンテンツがかなり充実しているのを見ると、麻雀はまだまだそのあたりが不足しているように感じさせられます。

本記事に関するご紹介

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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