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ネマタの戦術本レビュー第741回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その20」

ネマタの戦術本レビュー第741回「現代麻雀の神ワザ 著:鳳南研究所 その20」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析16

 分析14の染め手ブラフは、アガリに遠く安い手ほど河を目立たせる、高い手ほど河を目立たないようにするという話でした。

 しかし125ページのように、染め手以上に警戒されやすい手が実際に出来上がっているとなれば話は別です。アガリに遠い手ほど染め手狙いの河になりやすいので、実際に手が入っている可能性も低いという読みを逆手に取る狙いです。

 逆に言えば、河と合わせると染め手の材料が十分あったにもかかわらず染め手傾向でないとなると、一色手にしなくても高い手が入っている可能性が高いことになります。大三元のような出現率の低い手役が本当に出来ているかどうかを見抜くうえで意識しておきたいところです。

 手作りや仕掛けに関するセオリーは、他家も真っ直ぐアガリを目指すことを前提に置いているので、仕掛けやその後の手順で他家の挙動が変わると予想できる場合は判断が変わる場合もあります。

 127ページは「メンゼンを崩したうえにあまりアガリやすくならない仕掛け」ですが、赤5を仕掛けることで他家に警戒させる狙いの仕掛け。分析14のブラフに近いですが、鳴いてもアガリ目は十分に残り打点も落ちにくいのでより効果的です。手牌が短くなるデメリットはありますが、を切ってきた東家には以外のソーズは大体通るので降りやすいというのもポイントです。

 129ページは「巡目が深くなっても手広く受けない」ケース。鳴いて2翻以下の手ならテンパイ料と大差ないので、他家全員がこちらの仕掛けに降り気味に打っていると分かるなら悠々と高い手を目指すのが有力になります。

 131ページは「アガリに遠い仕掛けだけど、他家からはテンパイの可能性が高く高打点のケースも否定できない」ケース。「安くて遠い仕掛けはしない」と言われることもありますが、安くて遠いなりに仕掛けてアガリに向かわざるを得ない局面は多々あります。その時は「他家から見てテンパイかつ打点もある」と思わせられるように手を進めることができないかも意識しておきたいところです。

 

現代麻雀の神ワザ

本書は日本最大のネット麻雀サイト「天鳳」における鳳南(鳳凰卓の東南戦)で、麻雀強者の牌譜を見続けてきた「鳳南研究所」による書き下ろしの麻雀戦術書です。

「強者の共通点はびっくりするほど少ない」と筆者は言います。

本書では天鳳位を始めとする強者たちの打ち筋の共通点を見出すとともに、それぞれの独自のバランス感覚(他人にはマネできない本人だけの「勝ちの型」)を明らかにすることを目指すものです。

数え切れないほどの牌譜を見てきたからこそ分かる、異彩を放つ一打とその背景にある麻雀理論。

本書で「現代麻雀の神ワザ」を体感していただき、みなさんの「麻雀の型」をさらにレベルアップさせる一助にしてください。

 
鳳南研究所
単行本:1,663円
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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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