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ネマタの戦術本レビュー第794回「相手に対応させる技術 著:平澤元気 その4」

ネマタの戦術本レビュー第794回「相手に対応させる技術 著:平澤元気 その4」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

第1章 セオリー4

 読みに関する戦術が取り上げられる場合、本書でいうところの「フォロー牌」は、「関連牌」と表現されることも多いです。しかし、フォロー牌以外の牌もそれまで手牌に必要だったからこそ残されているのですから、手牌に関連していないとは言えません。よって本書のように、(受け入れが増える)フォロー牌と表現するのがより適切と思われます。

 同様に、(受け入れを増やす)くっつき期待の浮牌、(受け入れに関して)無関連牌となりますが、アンコから1枚切ってメンツ手のテンパイになる場合、宣言牌は本書の定義では「無関連牌」になりますが、アンコで持つことで受け入れを増やす牌でもあるので、厳密には無関連牌というよりは、「その他の牌」とした方が適切かもしれません。実戦上では、フォロー牌の可能性が高いかどうかだけ意識できていれば十分です。

 パターン1のケースは宣言牌周りが本命になることは確かですが、宣言牌周りのメンツが完成したケース、宣言牌がアンコからの切り出しであったケースに加え、雀頭周りの牌であったケースは宣言牌周りが待ちになりません。雀頭周りの牌は形のうえではフォロー牌ですが、手牌の中の役割としては牌姿Bの無関連牌に相当します。これを「無関連」と呼ぶことに違和感を覚えるので、個人的にはやはり「その他」と分類しそうです。

 パターン2のケース以外でも、2色以上の456牌が切られた河はくっつきの可能性が減ります。これも頭頭から手変わり狙いで打のシャンテン戻し、にくっついて打リーチといった場合はこの限りではありません。

 パターン3は本命になる待ちは分かりませんがくっつきでないことが明確なケース。先切りのケースもありますが、赤5があるルールならを引っ張る打ち手が多いでしょう。逆に言えば46が切られていてその色の赤5が見えていないなら、赤5を使い切るために先切りしたケースが考えられます。危険とまでは言えませんが、安全とは言えないということは意識しておきましょう。

 41ページの牌図は、シャンポンが警戒されやすいという理由だけで打とすべきかと言われると微妙とみますが、ソーズが良形に変化しやすいため悪形固定がロスになりにくく、ツモならが残っていた方が高め一通になる受け入れで有利になるというのもポイント。悪形固定の先切りが有力になるケースはあまりみないので参考になりました。

 43ページのケースは、自分からが4枚見えて安牌に近い等なら守備力を落とさずに河を作ることができます。同じ安牌でも相手から見て安牌と分からない牌を残した方が、待ちを絞らせにくくなるので有利と言えます。

現代麻雀の秘技 相手に対応させる技術

基礎的な麻雀戦術理論がネット上で共有されたことで、麻雀ファン全体のレベルが上がったと言われています。その中で差をつけるための技術として、今注目を集めているのが「相手に対応させる技術」です。相手の「対応する技術」を逆手に取って、その裏をかくハイレベルなテクニックとなります。

本書ではそのような戦術を論理的な解説に定評のある平澤元気プロが説明します。
(1)読みの基礎 
(2)それを応用する技術
(3)ただしこれはやりすぎ

本書で基本的な読みのテクニックとその裏をかく技術をマスターしてください。

著:平澤 元気
単行本:1,663円
 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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