将棋棋士の鈴木大介九段が、「麻雀最強戦2019」の著名人代表決定戦で優勝。12月14日に行われる「麻雀最強戦2019ファイナル」にコマを進めました。鈴木九段と言えば、1999年。当時竜王だった藤井猛九段との竜王戦。振り飛車の革命とも言える「藤井システム」で棋界の頂点に立った竜王に対し、同じく振り飛車のスペシャリストである鈴木さんが「全局振り飛車で戦う」と宣言。将棋の定跡の勉強は振り飛車しかやらず、(プロ棋士の対局の大多数を占める)相居飛車の将棋は観ていて眠くなる私にとって最高のタイトル戦でした(結果は4勝1敗で藤井竜王が防衛)。鈴木九段はこの後も2006年に棋聖戦に挑戦するも敗退。今回の最強戦が「初タイトル」になるかもしれません。
鈴木九段は奨励会時代に「雀鬼会」に参加していたというほどの麻雀好き。最強戦での二つ名は「剛腕のサウスポー」。その剛腕ぶりを知らされるエピソードとして、第108回のCさんから聞いた話を一つ。実は将棋棋士は、普段は身内で四人揃っても三麻をやるほどの三麻好き。鈴木九段とCさんは東天紅セットでよく顔を合わせていたそうですが、Cさん曰く、「鈴木さんは東天紅となると毎回オープンリーチをしてくる」とのこと。確かに東天紅は放銃点を除けばツモアガリはロンアガリの2倍。強い待ちを作ってオープンリーチが有力な選択肢となることは多そうですが、それでも毎回というのは相当な剛腕ぶり。私はオープン有りのルールで打ってもよっぽど条件が揃わない限りオープンリーチが打てない人なので、このあたりの判断をもっと突き詰めたいものです。