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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第46回 牌の安全度の基本

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第46回 牌の安全度の基本

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オリると決めたものの、安全牌がない悩ましい状況はよくあります。
このような時は、安全そうな牌から順番に切ります。ある意味で、機械的な作業ともいえます。

「麻雀の匠」の金太賢プロの2回目は、3巡目のリーチを受けてオリる場面です。

金プロは、「映えない」「つまらない」と話し、「作業」という言葉も使われていますが、確かに、オリるときは一見面白くないんですよね。

ふつう、麻雀をするのは、余暇を楽しむ時間なので、どーんと勝負してオリャー!と言いたいじゃないですか。貴重な休み時間に、なぜ地味な単純作業に耐えねばならんのか、、、という気持ちもよくわかります。

が、耐える作業にも面白さはあって、丁寧に考えながらオリきって、親の会心のリーチを空振りさせたときなどは、それはそれで気持ちいいものなのです。守備の醍醐味を知ると、麻雀がさらに楽しくなると思いますので、最初はつまらないかもしれませんが、取り組んでみてください。

今回は、牌ごとの危険度を改めて確認しましょう。
振り込む基本パターンは、次の5つがあります。
・リャンメン待ち
・カンチャン待ち
・ペンチャン待ち
・シャンポン待ち(シャボ待ち)
・タンキ待ち

牌の種類ごとに、どのパターンに当たるかを考えます。

・字牌…   シャンポン待ちとタンキ待ちに当たる
・数牌の1と9 リャンメン待ち、シャンポン待ち、タンキ待ちに当たる
・数牌の2と8 リャンメン待ち、カンチャン待ち、シャンポン待ち、タンキ待ちに当たる
・数牌の3と7 リャンメン待ち、カンチャン待ち、ペンチャン待ち、シャンポン待ち、タンキ待ちに当たる
・数牌の456 リャンメン待ち、カンチャン待ち、シャンポン待ち、タンキ待ちに当たる

最も当たるパターンが少ないのは字牌、次が数牌の1と9になります。
安全牌がないときは、まずは字牌か1と9の中から切る牌を探しましょう。

もし字牌で振り込んだ場合、ピンフとタンヤオの可能性はないですし、1と9で振り込んだ場合は、タンヤオの可能性がないので、失点が少なくて済むこともあります。

次に2~8の数牌を考えます。
シュンツができる全パターンを並べてみるとわかりやすいです。

ピンズで示すと、

[①][②][③] 
[②][③][④] 
[③][④][⑤]
[④][⑤][⑥]
[⑤][⑥][⑦]
[⑥][⑦][⑧]
[⑦][⑧][⑨]

の7パターンがありますね。
ではこの中で、[①]から[⑨]の牌が必要とされるパターンを数えてみましょう。

[①][⑨] 1パターン(例:[①]を使うシュンツは[①][②][③]のみ)
[②][⑧] 2パターン(例:[②]を使うシュンツは[①][②][③][②][③][④]
[③][④][⑤][⑥][⑦] 3パターン


[①][⑨]は端牌で使いにくく、当たるパターンが少ないですが、その次に少ないのは[②][⑧]になります。

安全牌はもちろん、字牌も1も9もないときは、2と8が次の候補になります。

もし2と8で振り込んだしても、
[①][③][⑦][⑨]のようなカンチャン待ちに当たった場合は、タンヤオではない
[赤⑤]があるルールの場合、[②][⑧]で振り込んでも、[赤⑤]を含むシュンツではない

ことから、失点が少なくてすむケースも多少期待できます。

[赤五][赤⑤][赤5]があるルールでは、みんなが赤ドラを大切にするので、牌が真ん中に寄ります。その分、2と8は他家にあまり必要とされにくい(つまり比較的安全)といえるのです。

3から7の牌は、どれも危険ですが、特に3と7は、リャンメン待ち、カンチャン待ち、ペンチャン待ち、シャンポン待ち、タンキ待ちのすべてのパターンに当たりうるので、要注意です。

少し難しい言葉ですが、3と7のことを尖張牌(センチャンパイ)と呼び、手作りのキー牌になっています。
例えば、もし場に[③][⑦]が4枚ずつ切られている場面を想像してみましょう。
ピンズで作れるシュンツは、もう[④][⑤][⑥]の1種類しかなくなってしまいます。3と7がなければ、手作りが著しく制限されてしまうのですね。

この話から少し応用すると、序盤で3や7を切ってくる他家は、手が早くて要注意だといえます。
手作りのキーとなるはずの牌が、早々に不要になるのは、他の部分でメンツが整っている可能性が高いためです。

今回は、安全牌がないときは、基本的に字牌、端牌、2と8の順に切ることを検討しましょう、という話でした。

この話を裏返すと、第30回で紹介した「待ちの強さを意識しよう」になります。

第30回では、最終形がリャンメン待ちになったときは、
1)1-4待ち、6-9待ち
2) 2-5待ち、5-8待ち
3) 3-6待ち、4-7待ち
の順にアガリやすい、というテーマをご紹介しました。

安全牌に困った人が数牌を切るときは、他に情報がなければ、まず1と9、次に2と8から切っていくので、そうなるわけですね。

このように麻雀では、「守備側は普通こう考えるから、攻撃側はこうした方がよい」「攻撃側は普通こう考えるから、守備側はこうした方がよい」という思考が頻繁にあります。いわば同じ紙を表と裏から見ているようなイメージです。

この連載もそうですし、麻雀の書籍や講座は、便宜上「攻撃」と「守備」をわけて説明することが多いですが、両者は別の話ではなく、つながっています。

守備の話を学ぶときに「この話を攻撃側からみると、どういう対策があるだろうか?」などと考えてみると、複眼的な思考が身につくのでお勧めです。

次回は、守備で頼りになるスジについてお届けします。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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