第12期雀竜位・斎藤俊プロ(日本プロ麻雀協会)によるプロ対局の寸評がスタートしました。今回は8月27日に行われた「雀王戦Aリーグ第9節」です。
雀王戦Aリーグ第9節
第9節 言わずもがな大事な大事な1節である。
スタート時点でポイントを持っていた金太賢も例外ではない。
決定戦の椅子は現雀王の木原を除くと3席。金が突き抜けてしまうと4人で2席を争うことになる。今日金を引きずり降ろせば5人で3席を争うことができるのだ。
金太賢
第10回野口賞を受賞。最近だと9期から11期まで3期連続雀王決定戦に進出した。雀王こそ戴冠していないが、協会屈指のプレーヤーである。そんな金も今日は引きずり降ろされてしまう。
東2局、金親番の七対子テンパイ。第一打からのを先に切ってのスジ待ち。絶好の待ちごろといったところ。
二巡後に持ってきたで手が開かれたのは土子。
役々混一色ドラドラの12000となる。土子は元々仕掛けを多用するタイプである。このタイプの仕掛けは軽く見られてしまうこともあるが、本手の時にその分和了しやすいこともある。
手痛い放銃となった金。オーラスを迎える。
伊達:17400
橘 :23900
金 :16100
土子:41600
金は当然決定戦に向けラスは引けない。
先ほども見たような七対子リーチ。七対子に決め打った時の牌の残しが絶妙である。程なくして伊達から出和了りし2着となる。
2回戦目オーラス
金 :-5300
伊達:53800
土子: 7400
角谷:44100
またしても金にとって非常に苦しい展開が続く。とにかく和了したい土子と伊達がいるため尚更か。
まずは2件テンパイで連荘を果たすと、続く1本場も足止め目的リーチを一発でツモり裏も乗せる。
続く2本場を聴牌で連荘し、3本場も全員聴牌で連荘。
4本場に
ポン
1500は2700(+供託4000)を和了。
6本場まで粘るも角谷がトップになる和了で終局。
残り2回は2連続ラスを押し付けられてしまった。金はこの結果に満足することはないだろうが、土俵際の粘りは大事である。
いよいよ次節が最終節である。決定戦に残るのは誰か!?
順位 | 氏名 | 第9節 | TOTAL |
---|---|---|---|
1 | 鈴木 たろう | 146.3 | 564.9 |
2 | 金 太賢 | ▲108.8 | 380.8 |
3 | 角谷 ヨウスケ | 124.3 | 358.3 |
4 | 小川 裕之 | ▲24.5 | 342.7 |
5 | 仲林 圭 | 54.2 | 240.5 |
6 | 矢島 亨 | ▲59.2 | 206.0 |
7 | 橘 哲也 | 1.2 | 83.7 |
8 | 鈴木 達也 | 10.3 | 78.5 |
9 | 阿賀 寿直 | 126.4 | 74.6 |
10 | 宮崎 和樹 | 3.0 | ▲117.9 |
11 | 佐久間 弘行 | 0.6 | ▲168.7 |
12 | 伊達 直樹 | ▲96.8 | ▲362.4 |
13 | 蔵 美里 | ▲141.9 | ▲363.4 |
14 | 鍛冶田 良一 | ▲115.2 | ▲658.8 |
15 | 土子 貴智 | 80.1 | ▲669.8 |