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ネマタの戦術本レビュー第187回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その37」

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四限目 講座14

 チートイツ1シャンテンとトイトイ2シャンテンについては現麻本でも取り上げさせていただきました。基本的に打点があまり落ちず鳴きやすいトイツが多いならポン、そうでないならチートイツにします。雀荘ルールであれば一発裏の祝儀もあるので若干メンゼン寄り、ただし赤5と役牌トイツがあってトイトイ以外でもあがれる手牌であれば鳴き寄りとみて鳴くかどうかを判断します。

講座15

 現麻本では扱わなかったタイプのシャンテン戻しです。図ABDは面子候補を雀頭にする鳴きとも言えます。雀頭より面子候補の方ができやすい(くっつき1シャンテン>ヘッドレス1シャンテン)ので、鳴いて雀頭を作る方がアガリやすいと言えますが、メンゼンを崩したうえにイーペーコー目まで無くなるので、平場であれば鳴いても打点があまり落ちない手に限ります。

 図Cは面子を雀頭と面子候補にする鳴き。つまりヘッドレス1シャンテンを2面子1シャンテンにする鳴きです。鳴いても高打点で鳴きやすいトイツが残るので鳴いた方がよいことは明白ですが、なかなか珍しい仕掛けです。

講座16

 「面子候補が不足しているところからの鳴きは控える」も、「雀頭が無くなる鳴きは控える」と同様よく言われますが、これについても、「面子候補が足りているところからの鳴きに比べれば鳴いてもさほどアガリやすくならないので、打点や守備力を考慮して鳴かないことが増える」ということです。

 図ABのように1手でホンイツの4面子1雀頭が揃うのであれば、他色の数牌へのくっつきを残すメリットはほとんどありませんし、打点も守備力もあるので面子候補不足であっても手が進むものは全て鳴きます。同色の牌か字牌の浮き牌で面子候補ができればよいので、実質的に面子候補が足りているとみなしても結構です。

 図CDは鳴いてくっつき1シャンテンのケース。リャンメン×2以上の1シャンテンよりも先制テンパイがとりやすいため、安手であっても守備力が落ちることはあまり気にせず鳴いてよいでしょう。これが安手で鳴いても2シャンテンとなると、スルーしても浮き牌へのくっつきで手が進むツモが多く、鳴いた場合はくっつきで手が進む浮き牌を1つ切ることになるので鳴いてもあまり早くならず、先制でテンパイできないケースも増えるので守備力もふまえたうえでスルーすることが多くなります。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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