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斎藤俊の旬な雀士を見てやんよ 第1回 角谷ヨウスケ 後編「雀王角谷としてのビジョンに迫る」

斎藤俊の旬な雀士を見てやんよ 第1回 角谷ヨウスケ 後編「雀王角谷としてのビジョンに迫る」

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最近放送対局ではすっかりヒールのイメージが定着した斎藤プロが、今最も旬な雀士を紹介していくこのコーナー。第1回は「マジカル」と呼ばれる特異な打ち筋で注目を集めた第15期雀王、角谷ヨウスケプロです。

第1回 角谷ヨウスケ 前編「メディア対局だからこその打牌選択」

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――最近プロになる人は、ある程度基礎が出来上がっている人が多い印象があると思います。インターネット麻雀の普及も追い風となって、人を集めず、お金を費やさずに麻雀を練習できる環境が構築されているためなのかな?

角谷:ちょうど先ほど武中進プロと話していたけど、フリー麻雀やインターネット麻雀強くてもリーグ戦弱い人って一定数いて、彼ら(彼女ら)は『閉じられた系』の勝ち方を知らないのだと思う。オカ、ウマの大きな協会ルールだからトップが偉いわけではなく、リーグ戦だから偉いんですよ。

――オカ、ウマと素点収支の平均値を高めつつ、『意図的にブレを大きくとる』必要があるよね、と。

角谷:そうそう。1万半荘後の成績で勝敗を決めるためと、40半荘で上位25%の昇級圏に入る(下位25%の降級圏に入らない)ための打ち方は違うんですよね。もちろん決定戦のような1位のみに意味がある対局もまた然り。刻一刻と自分、相手の立場と残りの半荘数が変わりますからね。

角谷:ブレを大きくするだけじゃなく最終節に近づくと『トータルで損をする選択でもブレを小さくまとめ』という技術が必要になる局面もあります。そういったのは競技麻雀独特のものですからね。それが楽しさでもあると思います。

――角谷プロが麻雀を覚えたのっていつですか?

角谷:大学時代でしたね。

――『自由の学風』で有名な京都大学でしたよね。

角谷:経済学部で最高位戦の弁護士雀士、津田岳宏プロとも同じです。僕も法律系の勉強を始めていましたが、麻雀を覚えたために弁護士の道からはベタオリです。自由な学風でしょ?協会だと松嶋桃プロも京都大学です。

――私、桃さん大好きなんですよ。麻雀が上手なのは勿論、彼女の持つタレント性であったり、トーク力だったり、知性を感じられて素敵だと思います。角谷プロもですが、知性の高さが随所に出てます。角谷さんは今後雀王としてどんなことをしていきたいですか?

角谷:雀王になったということで、麻雀打ちとして変わったことをしたい。今年は打点を追ったけど、実は嫌だったんですよ。打点ブームに乗った感じだからさ。

――いいじゃないですか(笑)

角谷:いやいや(笑)麻雀打ちってマジョリティーでいたがる人が多いんですよ。何切る問題があがったとして、打牌X, Y, Zが候補である程度優秀な人集めてアンケートした結果、Xが優秀だった。では正着はXみたいな。これは極端な言い方ですが議論が弱い。

角谷:マジョリティーから外れていて弱いこともあるけどマイノリティーで強いこともある。たろうさんとか先駆者というのはそういうものなんですよ。僕はスピードでそれを出していきたい。たろうさんとはまだ比べられないかもだけど。

――スピードにこだわる?

角谷:スピードと言っちゃったけど一案だからそこまで拘るつもりはないかな。

――麻雀って対人ゲームだから『流れ』というと色々語弊があるけど、『印象操作』ってありますよね。摸打速度や所作、視線からツモ牌を入れる場所すら情報になる。

角谷:そうなんです。それもあって決定戦は色々と布石打った。もちろん相手の状況も加味してのことなんだけれど、4日目にダマで和了できるケースが多くなったとこの一因なんだと思う。強気の押しを多く見せる事で、相手にシャンテン数の距離間をぼかせた手ごたえはあった。

――人は選びますがツモ牌をどこに入れるかというのは有益な情報になりますよね。

角谷:ツモ牌を入れる位置から分かるスライド読みは、山読みにも繋がるのでしっかりと見ています。ただ人に依りますね。スライド読みを逆利用しようとする輩もいますから。そんな意味でたろうさんは本当に神だと。ゼウスです。他の人のから自身がどう見えているかを理解している。

捨て牌

例えば上記の↑からが切られて、↓の位置にツモ牌を入れると、捨て牌込みで考えてを持ってきてに面子をスライドさせたように見える。既に捨てられた牌も考慮に入れるとは単独の浮き牌として持っていることが不自然である。

逆説的な言い方をすれば、そのスライドがあった場合と持った待ちは否定される。(のターツを持っている場合はからを切ったことになるため)

 

角谷:これは木原さんのコメントを借りるんですが、本当に繊細な麻雀打ちは鈴木たろうなのだと言ってました。世間から豪快な手役イメージや強烈な押しのイメージを持たれるけど、実は違うんだと。ある程度の土俵に立って思いましたもん。

角谷:上の例でたろうさんはをツモってるのにをツモってスライドさせるように見せるんです。もちろん受けが残っているためなんですが。見れば見るほど嵌ってしまいそうですよね。本当に繊細です。

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▲1月4日に行われた京都グリーン杯での一打。将来の待ちをぼかすために、あえてを空切りしている。

――来年の雀王決定戦でまた戦うかも知れませんね。

角谷:でも望むところです。決定戦は強者が集まった方が盛り上がりますからね!雀竜位決定戦も斎藤くん、渋川くんらの激闘を期待していますよ~!?

――A級初日は2人ともコケたけど・・・残り2日間頑張ります!(汗)

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角谷 ヨウスケ@kakkun_npm
第15期雀王。普段はマーチャオに勤務しているほか、麻雀教室の講師などを務める。自他共に認めるaikoの熱狂的ファン。

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この記事のライター

斎藤 俊
入会1年目から雀竜位C級予選から駆け上がり第12期雀竜位を獲得。
門前と鳴きを使い分け、バランス良い麻雀を打つ。

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