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ネマタの戦術本レビュー第246回 「フリー雀荘で得するのはどっち!? 著:石井一馬その17」

ネマタの戦術本レビュー第246回 「フリー雀荘で得するのはどっち!? 著:石井一馬その17」

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テーマ20

 アガリ連荘でもテンパイ連荘に比べて親のリーチ判断が変わることはほとんどないことはテーマ1で取り上げられましたが、これは、リーチしてツモった方が出アガリより得点が高くなる(祝儀も3倍になる)ルールの性質上、基本的に他家に降りられることはさほど損にはならず、特にアガリ率を重視したい手牌、局面であれば、今度はテンパイ連荘であってもダマにすべきことが多いためでした。
 リーチを打つ親の立場からすれば判断は変わりませんが、攻撃を受ける子の立場からすれば、アガリ連荘の方が守備寄りで打つべきことが多くなるのは確かです。

 とは言っても本書にある通り、アガリが十分見込める手であれば、トップ目でも押し引き判断は意外と変わりません。親のリーチドラ1(40符2翻3900点)に放銃した場合7800点差が詰まりますが、リーチツモドラ1(30符3翻6000点)をアガられると8000点差が詰まるように、放銃してもツモられても大差無いケースもあるため、相手のアガリを阻止するメリットも大きいからです。

 逆に、トップ目かラス目かで押し引き判断が変わりやすいのは、「アガリ率は低い(あるいは押した場合の放銃リスクが高い)が、アガれた時は高打点になる」手牌の場合です。「調子がいいから押し、調子が悪いから引き」のような、いわゆるオカルト的発想に陥っていると逆の判断をしがちです。オカルトは信じていないつもりでも、無意識のうちに押し引き判断に影響していることは結構あるので注意したいものです。

 アガリ以外は親が流れることから、親相手に絞ることが増えるというのもアガリ連荘の特徴です。放銃さえ避ければいいと考えているとこのあたりの打ち回しでミスしやすくなります。今回のようにアガリが厳しい手牌であればもちろん、アガリやすい手牌であっても、「どちらを切ってもアガリ率は大差ないので、親に鳴かれにくい牌を切る」という形で絞る場合があるので、どちらを切っても同じように見える場合も、両者に優劣はないか意識しておくようにしたいものです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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