- 『ネマタの天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第七期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
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第二節一回戦B卓
▼対局者
Ⓟ中嶋隼也
Bさん: 就活生@川村軍団
Ⓟ木原浩一
Dさん: トトリ先生19歳
何と4巡目にしてメンホンドラ1のシャボテンパイ。序盤の字牌待ちならリーチもダマもアガリ率に大差ないからリーチと考える方もいるかもしれませんが、リャンメン以上の待ちになるだけでなく、打点も倍満まで見えるツモの強力な手変わりがあります。
手変わりを考慮しなければ明確にリーチ有利な手であっても、手変わりがそこそこあればダマも悪くないということは、「その32」等で取り上げました。それならダマで満貫あるこの手なら、よりよい手変わりを狙うに越したことはないでしょう。
北家はを鳴いても1シャンテンですがテンパイする受け入れが大幅に増えますがこれをスルー。ドラ1とリーチドラ1はどちらも額面上は2翻手ですが、前者は2000点止まりなのに対して、後者は一発、ツモ、裏ドラがあるので平均4600点程度。受け入れに大幅に差があるとはいえ、テンパイ時に悪形待ちになる1シャンテン同士ならアガリ率にそこまで差はつかないので、打点を優先してスルーするのは妥当なところでしょう。
北家からリーチが入ったところで西家はまず降りませんし、先制リーチが入ったということは手変わりを待つ猶予もあまりありません。しかし、他家のテンパイが入っているということは、アガリ逃しが失点になる可能性が高いのですから、よりアガリやすい待ちに手変わりする可能性はなおさら残したいところ。今回のように他家のアガリ牌()を引いても打として結果的に放銃を回避できる場合もあります。
ダマ側の細かいメリットを正確に評価するのは困難ですが、先制テンパイでも手変わりを考慮すればダマに分がある役有りテンパイに関しては、後手の場合もダマが基本になりそうです。
北家がをツモって裏1の2000−3900。のスルーが大いに活きる結果になりました。