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最高位戦日本プロ麻雀協会代表・新津潔 「麻雀に関してはとても硬派」

最高位戦日本プロ麻雀協会代表・新津潔 「麻雀に関してはとても硬派」

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  •  2019年9月30日に開幕する「Mリーグ2019」。麻雀のオリンピック競技正式種目化を目指すMリーグへ選手を輩出している麻雀プロ5団体の代表者に【団体に関する10の質問】と【代表者に関する5つの質問】をインタビュー。
  •  各団体の特色や、求める人材、麻雀界の未来が語られる。

団体に関する10の質問

①団体のウリ、目指す麻雀カラー

「私が入会した頃から、最高位戦日本プロ麻雀協会は麻雀だけをやっていたい人たちの集まりというカラーがありました。それは今でも根幹にはあると思うので、エンターテイメントという考え方においては、抜けているところが多いんですよね。元々がそういう集まりだったので」

 

「ただ今はそれではダメじゃないですか。麻雀に関してはとても硬派なんですが、それは長所でもあり、短所でもあるので、そういう狭間で団体を作ってきたという気持ちはありますね」

 

「代表になってから四半世紀経ちました。エンターテインメントいう部分は無視できない部分です。麻雀を好きで見てくれる人がいるから、麻雀プロという存在があるわけですから、その辺が欠けている部分なんで、そこら辺は今後も叱咤しながら頑張って行けたらなとは思っています」

 

②プロテストで重視していること

「私たちが何を求めているのかといえば、プロとして恥ずかしくない麻雀を打てる人。今ではすぐにメディアに出られる可能性もあるのでそこは重視しています。ただ誰がどんな才能があるのかは、プロ試験だけでは正直わからないので、その対策として、麻雀プロになるための研修の場として“最高位戦アカデミー”を開催しています」

 

「最高位戦アカデミーは、麻雀プロってどういう存在なのか。所作も含めて時間をかけてゆっくり教えていく期間があったほうがいいというコンセプトで6年ほど前から始めました。今は情報がいっぱい出てきていますが、当時は受験希望者から、麻雀界が実際に何をやっているのかよくわからない、どうやって食べていけているのかがわからないという声が多くあったことに答えていきたい意図もありました。年に2回開催していますが、2019年後期・最高位戦アカデミーには、40人を超える方が参加しています」

 

「プロ試験は基本的にはコンペ形式ではなく絶対評価なので、基準が出来ているかどうかは重視しています。実際、今はMリーグの影響がとても大きくて、麻雀に関心を持ってくれる方が増えて来た実感があり、女性受験者も増加傾向にあります。麻雀というゲーム自体に男女差があるわけではないので、これからは女性がどんどん進出していける世界になるのかなとも思っています」

 

「最高位戦のプロ試験には年齢制限はありません。受験者は若い方が多い傾向はありますが、アカデミーに参加される方は、セカンドライフ設計としてじゃないですけど、麻雀を極めたいと考えられている高齢の方もいます」

③ルールに関する意義とこだわり

「一般的にも長く親しまれているルールは一発、裏ドラ、ノーテン罰符あり。面白いと思われているから親しまれているんだと思うので、団体としてもメインのルールはそこにあるべきと考えています。レギュレーションの中で攻めと守りのバランスが良くないと見ていても面白くないので、その辺は大事にしていきたいと思っています。個人的な考えですが、ゲームとして見ていてもやっていても楽しいというのが一番のこだわりです。もちろん麻雀はいろんなルールで楽しめるものなんで、他のルールもあっていいと思っています」

 

④現在、団体として力を入れていること

「エンターテインメント性、一般の人たちにアピールしていく部分に関しては、本当に弱い部分です。そこは反省しながら、いろんなことをやっていきたいと思っています」

 

⑤子供育成の予定

「理事会でも出てくる議題で、いずれそういったことにも取り組んでいかなければならないという意見も当然あります。Mリーグのオーナー達が取り組み始めてくれてはいるんですが、団体としては実際にはまだ何も手をつけられていないのが現状です」

⑥団体として取り組んでいる普及活動

「最高位戦のルールで戦うプロアマ戦や地方の大会には力を入れて積極的に取り組んでいます。麻雀って本当に不思議なゲームなので、プロという領域がある中で、そこまでアマチュアとの差があるのかなという面もずっと思っていまして。細かい部分で言えばあるのかもしれないんですけれど、情報もすごいので、アマチュアの人たちも強いんですよね。だからプロアマ戦はプロも真剣にやっている場なので、ゴルフのプロアマ戦のような雰囲気とはちょっとニュアンスが異なるかもしれませんね」

 

⑦アマチュア愛好家が参加できるイベント

「ペアマッチ戦は20年以上前からやっています。お世話になった方に1年の挨拶も含めてお声かけさせて頂く場として始まったのがきっかけです。勝ち負けに重きを置いているわけではなく、集まって麻雀やってワイワイガヤガヤやるみたいな大会イベントです。毎年やっている就位祝賀パーティーもそうですが、やっぱり人付き合いというか、誰かと知り合うことはとても大事なことなので、そういう機会でちょっとでもプロ達の人脈が広がっていけばいいなと思ってやっています。選手にも負担はかかってはいるんですが、アマチュアの人を始め、業界の方との接点にもなるので、プロとして名前を覚えてもらうことも大事だとは思っています」

 

「發王戦や飯田正人杯 最高位戦Classicという大会もプロアマ混合戦です。井出洋介さんが最高位戦を辞められて麻将連合を立ち上げた時、私が代表になったんですが、20人ぐらいしかいなくなってしまったんです。その時に両輪となってくれたのが飯田正人さんと金子正輝さんだったんで、ふたりがいてくれたから継続出来たところもありました。永世最高位となった飯田正人さんは、本当にすごい人でした。飯田さんとはMONDO TVの名人戦での対局が最後になりましたけど、同卓させてもらって本当に光栄だなと思って打っていましたね」

 

⑧地方展開について

「地方展開は昔から弱い部分だったので、今、一番力を入れている部分です。5年ほど前にやっと関西本部が出来て、そこから北海道、東海、新潟と少しつづですが広がってきました。まだまだ全然足りないので、出来ればもっと広げていきたいとは思っています。もともと地方から東京で行われるリーグ戦に参戦してくれていた人はいたんですが、勝っているときはまだいいんですが、負けが続くとやはりお金の負担も大きいので、だんだん来られなくなってしまう現状がありました。地方で頑張って頂ける環境を整えることが出来れば、地元である程度やって活躍してから東京に参戦することも出来るので、もっともっとそういった環境を作っていきたいですね。北海道の選手なんかは本当に強い。日本全国どこに逸材がいるのかはわからないですからね。団体としても遠征費の全額ではありませんが、補助している部分もありますので、地方展開はより活性化していけるよう育てていきたいと思っています」

 

⑨産休・育休、介護休暇、病欠などに対するリーグ戦への復帰システム

「基本的に最高位戦の規定ではリーグ戦を休場すると降級するシステムなんですが、産休・育休の場合は同じリーグから復帰できるようになっています。介護休暇に関してはとくに規定はありません。病欠に関しては、その都度対応しています。インフルエンザに関しては、義務化はしていませんが、昨年から予防接種を受けた選手には補助を出しています」

⑩思い描かれている麻雀界の未来像とは?

「今後どうなるかは、まったく予測はつきません。僕自身、楽しみにしているというのが正直な気持ちです。今はMリーグが始まってスポンサーが現れてくれましたが、もともとスポンサーがなくてもやっていけるような団体を作っていきたいという気持ちがありました。仮に麻雀人気がなくなってしまったとしても、私たちも無くなってしまうような団体にはしたくはない。団体立ち上げの頃は資金も無い中でやってきたので、そういう観点では何があっても団体は潰れないという思いはあります」

 

「23年間代表をやらせて頂いてますが、Mリーグは本当に画期的で衝撃的ですごいことです。これまでは想像もつかなかったし、こんなことが始まるなんて思いもしなかったし、凄すぎてなんとも言いようがない。なので今後、どう変わっていくのかもわからないんです。ちゃんと考えたら、プロ団体という存在が必要なのかも今後はわからない。Mリーグ機構の考え方によっては、そういう風になる可能性だってないわけじゃない。それはそれでしょうがないのかなとは思うんで。ただ結局私たちが長くこの業界で地道にやってきたのは、そういった発展に繋がったんだなと思えば、それはそれでいいのかなと」

新津代表に関する5つの質問

①好きな役

「ピンフは得な役だと思うんで、好きですね。昔、ブー麻雀(※)というのを長くやっていたんですが、食いピンフという役があるんです。食いピンフはピンフそのものの考え方に合っていて、ツモったらピンフじゃなくなるのでアガれない役なんです。でも関東の麻雀はピンフツモがあったので、不思議だと思っていたんですけど、それが成立するのは得なので好きですね。役満では四槓子、大四喜はアガったことはないですね。」

※ブー麻雀:関西地区発祥のルール。持ち点は様々だが、2000点から8000点の場合が多い。誰かの持ち点が倍になるか、箱下になると終了。半荘終了後に原点割れした者の人数によってスコアが決まる。一翻縛りがないため、役がなくても4面子1雀頭の形になっていれば和了が可能。

②座右の銘

「私が麻雀界に入った時、師匠がいまして。古川凱章さん(※)という方なんですが、師匠が一番大事にしていた言葉で“麻雀は背骨で打て”という言葉です。頭で考えて打つのではなくて、養っている感覚的なもので打てということ。背骨という神経の真ん中で打牌していくみたいなイメージですね。私にとっても一番大好きな言葉です」

※古川凱章(ふるかわ・がいしょう):101競技連盟の創設者。日本におけるプロ雀士のパイオニア。阿佐田哲也、小島武夫と「麻雀新撰組」を結成した。2016年逝去。

③好きな本、漫画、映画、ドラマ、ゲームなど

「本は圧倒的に時代劇小説が多いですね。佐伯泰英の本は娯楽として最高です。“居眠り磐音”や“吉原裏同心”は3回づつ読んでます。栗本薫の“グイン・サーガ”も全130巻あるので読んでます。長い作品は新しい本を探さなくていいので助かるんですよね」

 

④日常生活で心がけていること

「オールドマスターと呼ばれるヨーロッパの画家たちの絵はよく見に行きますね。深い知識もいらないので見ていていいなあ、すごいなあなんて思うところはありますね。あとは晴耕雨読じゃないですけど、やっぱり本をずっと読んでいたいなとは思いますね。麻雀は月に400~500半荘打っていた時期は何年もありましたけど、今は月に100半荘ぐらい。お酒は大好きなんで飲み始めたら10時間。だいたい朝になってしまいますね」

 

⑤新津代表にとって麻雀とは?

「中学生の頃に始めて以来、高校、大学の頃に一番やっていましたね。麻雀をやる仲間の中に高見沢治幸(麻雀連合)さんや飯田正人さんといった麻雀プロという存在の人がいたので、私も麻雀プロになったという経緯です。ただ大事なことはそういう環境が近かったということ。たまたまそういう知り合いがいたということなんですけど、それは大きいことで、結局この世界に入ったのは、麻雀のおかげで人間関係に恵まれたというところはありますね。だから麻雀って何かと聞かれても困るぐらい、人生の中では切り離せないずっと一緒にいる大好きな存在ですね」

©竹書房

新津潔(にいつ・きよし)プロフィール

1956年1月28日、東京都生まれ。水瓶座、AB型。主な獲得タイトルは第19期王位、第2期發王位、第2・8・13回MONDO名人戦他。著書は「麻雀押し引きの戦術」。

最高位戦日本プロ麻雀協会(さいこういせんにほんぷろまーじゃんきょうかい)

◎団体設立:1985年(※1976年に創設されたタイトル戦が団体設立の原点)

◎会員数:487名(2019年9月現在)

◎プロテスト開催時期:年2回(1~2月、6~7月)

◎プロテスト会場:札幌、東京、新潟、大阪、名古屋

◎受験資格:18歳以上(高校生不可)

◎オフィシャルサイト:https://saikouisen.com

5団体代表者インタビュー

日本プロ麻雀連盟会長・森山茂和 「麻雀のさらなる高みを目指して」

日本プロ麻雀協会代表・五十嵐毅 「団体のカラーは、周りが判断してくれるもの」

麻将連合μ代表・忍田幸夫 「麻雀はとても優れた頭脳スポーツ」

RMU代表・多井隆晴 「プロがやりたいことではなく、ファンが喜ぶこと」

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