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麻雀の「大車輪」とは?一度はアガってみたいローカル役

麻雀の「大車輪」とは?一度はアガってみたいローカル役

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麻雀には特定の地域や雀荘、あるいは一部の人だけが使っている「ローカルルール」が存在する。そんなローカルルールに基づいて採用される役をローカル役と呼ぶが、「もっとも有名なローカル役」とされることが多いのが役満の「大車輪」だ。名前のインパクトや見た目の美しさも相まって、一度はアガってみたいというプレイヤーも多いのではないだろうか。本記事ではそんな大車輪の特徴や背景について深掘りしていきたい。

大車輪とはどんな役?

その名の通り、大車輪は円を使って描かれる筒子だけを使用する役だ。どのような場合に成立し、役満として扱わない場合にはどのくらいの翻数になるのか、ここでは実戦における大車輪をさらに深掘りしてみよう。

筒子の2~8による七対子

大車輪のアガリ形は筒子の2~8を対子でそろえる形となる。見た目は七対子だが、2~8が連続しているため二盃口として見ることもできる。つまり、筒子のチンイツ・二盃口・タンヤオ・平和の複合形ということだ。

アガったときの牌姿は

[②][②][③][③][④][④][⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦][⑧][⑧]

の1種類しか存在しない珍しい役となっている。

アガった時点で三倍満確定

ローカル役のため役満としては認められないことも多い大車輪だが、役満扱いでなくとも破壊力満点の役であることには違いない。というのも、アガった時点で三倍満が確定しているからだ。その内訳はチンイツ(6翻)、二盃口(3翻)、タンヤオ(1翻)、平和(1翻)であり、合計が11翻となる。大車輪を構成しているのは7組の対子であるため、ドラがのれば13翻となり「数え役満」が確定する。数え役満は競技麻雀や放送対局では採用されていないことが多いが、それ以外では広く普及しているルールである。

大車輪の場合、リーチやツモ、[赤⑤]が絡むこともあるため、ドラがない場合でも数え役満への出世のチャンスが十分期待できるだろう。

大車輪を逃さないためには?

大車輪は必ずチンイツ・高め二盃口のテンパイになる。ここでは千載一遇の「大車輪チャンス」を逃してしまうことがないよう、テンパイ形のパターンについてご紹介しておきたい。

大車輪のテンパイ形は4パターン

[②][②][③][③][④][④][⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦][⑧][⑧]

実は、大車輪のテンパイ形に関するパターンは4つしかない。大車輪に使われる牌はわずか7種類。テンパイの状態では、このうちのいずれか1枚が足りない状態となる。つまり、テンパイ形も7種類だが、牌姿が左右対称になっていることから[②]が足りない場合と[⑧]が足りない場合は同じ方法で待ち牌を判断することができる。すなわち、テンパイ形は4パターンになるというわけだ。

[②]または[⑧]が足りない場合

[②][③][③][④][④][⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦][⑧][⑧]

[②]が足りない場合は、[⑧]を雀頭として考えると全体の形を捉えやすい。[⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦]が完成していると見れば、待ちは[②][⑤]になる。一方で[②][③][③][④][④][⑤]を完成していると考えれば、[⑤][⑧]も待ちとなる。つまり、この場合は[②][⑤][⑧]待ちで、[②]のみ高めの大車輪となるわけだ。

一方、[⑧]が足りない場合は対称の形の

[②][②][③][③][④][④][⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦][⑧]

となり、こちらも[②][⑤][⑧]待ちとなる。

[③]または[⑦]が足りない場合

[②][②][③][④][④][⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦][⑧]

[③]が足りない上記の牌姿の場合は[②]を雀頭にしてみよう。上のパターンと同じように考えると、[③][⑥][⑨]の三面待ちになることがわかるだろう。ただし、[⑨]でアガった場合はタンヤオではなくなり、一盃口も成立しない。[③]なら大車輪の形となり三倍満、[⑨]なら跳満になってしまうので注意が必要だ。

[③]の代わりに[⑦]が足りない場合は対称の形の

[②][②][③][③][④][④][⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑧][⑧]

となり、[⑧]を雀頭とすれば[①][④][⑦]の三面待ちとなることがわかる。

[④]または[⑥]が足りない場合

[②][②][③][③][④][⑤][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦][⑧][⑧]

このケースでは[②]から[④]までのメンツと[⑤]から[⑧]までのメンツがきっちりとわかれるため三面待ちとはならず、[①][④]待ちとなる。[⑤]または[⑧]を雀頭として見れば形が把握しやすいだろう。高めの大車輪でアガるには[④]が必要になる。

[⑥]がない場合は対称の形の

[②][②][③][③][④][④][⑤][⑤][⑥][⑦][⑦][⑧][⑧]

となり、こちらも[⑥][⑨]のリャンメン待ちにしかならない。

[⑤]が足りない場合

[②][②][③][③][④][④][⑤][⑥][⑥][⑦][⑦][⑧][⑧]

[⑤]が不足しているこのケースでは[②]を雀頭にした場合には[②][⑤]待ちと捉えることができ、[⑧]を雀頭と考えれば[⑤][⑧]待ちと捉えることができる。つまり、[⑤]が足りない場合は[②][⑤][⑧]待ちとなり、[⑤]の場合のみ高めの大車輪が成立する。

変則多面待ちにはならないので安心

ここまでパターン別にご紹介した通り、大車輪がテンパイした場合は必ず平和形となるためリャンメンまたは3面待ちとなり、変則的な多面待ちにはならない。このことを押さえておけば、チンイツ特有の複雑な待ちに不安を感じる必要はまったくないのである。

大車輪はどこで採用されている?その歴史は?

ローカル役の大車輪はいつ頃生まれた役で、どんな場面で役満として採用されているのだろうか。ここでは、大車輪成立の背景や役満として扱われるシーンなどを深掘りしていこう。

ゲームでは採用実績多数

大車輪はローカル役とされているため、Mリーグでは役満として認められていない。プロ麻雀各団体のルールでも採用されておらず、市中の雀荘でも不採用となっているところがほとんどだ。

一方で、ゲームの世界になると不採用ばかりというわけではない。古くは、最初期のファミコンソフト『麻雀』で採用されていた。近年のオンラインゲームでは『麻雀格闘倶楽部』や『雀龍門M』で役満となっている。また『雀魂-じゃんたま-』では、メインモードの段位戦では採用されていないが、ローカル役の中に大車輪も含まれており、友人戦ではローカル役の有効無効を設定することができる。

流行時に考案されたので知名度抜群

麻雀が広く流行していた1970~80年代に、大車輪は考案された。麻雀がかつてないほどの勢いに乗っていたころに登場した役だけに、知名度抜群のローカル役となったというわけである。それゆえ大車輪は、片山まさゆき氏の『ノーマーク爆牌党』をはじめとした麻雀漫画に登場することも多々あるローカル役となっている。

三人麻雀では清一色七対子が全て大車輪で役満扱い!?

ここでは2から8のチンイツ七対子として紹介したが、三人麻雀の麻雀店ではピンズ、ソーズ問わず、タンヤオ牌以外があるチンイツの七対子もすべて大車輪とするルールの麻雀店も多く存在する。その上それらは全て役満扱いとなることがほとんどだ。三人麻雀のお店で打つときは特にこのあたりのルールの確認をしておくべきだろう。

遊び心にあふれた人気のローカル役

今回はローカル役「大車輪」について詳しく解説してきた。筒子を車輪に見立てるという遊び心にあふれた大車輪。国士無双のようにそれだけを狙っていくという役ではないが、筒子のチンイツを目指した場合には頭の片隅にでも留めておくと面白いだろう。簡単にお目にかかれる役ではないが、仲間どうしで麻雀を楽しむ際にはぜひとも役満として取り入れてみていただきたい。

この記事のライター

麻雀ウォッチ編集部
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