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もっと勝つための現代麻雀技術論 第23回  「浮き牌の残し方③」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第23回 「浮き牌の残し方③」

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浮き牌切りと面子候補落としの比較

 古くから麻雀界で議論されてきたものに、ペンチャンと3~7の浮き牌のどちらを残すべきかというものがあります。これについてはこれまで様々な研究がされてきましたが、「ペンチャンを残して1面子できるまでにかかる平均巡目」と、「3~7の浮き牌を残して、1面子できるまでにかかる平均巡目(ペンチャンを落としているうちに新しくできた浮き牌から面子ができるケースも含む)」を比較すると、どちらも大差ないということが現在では分かっています。

 「どちらも大差ない」と言われると、知っていても仕方がないことのようにも聞こえますが、「大差ない」と分かっていれば、一方に有利な要素があればそちらを選べばよいのですから、実は重要なことです。3~7の浮き牌より面子が作りやすい3456の4連形や3445の中ぶくれ形、あるいは面子ができた時に高打点が狙えるドラや役絡みの浮き牌であれば、基本的に悪形の面子候補より優先的に残せばいいですし、場に2枚切れている等、ペンチャンよりも明確に面子になりにくい悪形の面子候補については3~7の浮き牌を優先的に残します。

2面子形1シャンテンにおけるペンチャンと浮き牌の比較

 それでは、ペンチャンを残せば2面子形の1シャンテン。ペンチャンを落とすと2シャンテンになる場合、ペンチャンと3~7の浮き牌のどちらを残した方がよいでしょうか。

 第12回第19回で、どちらにも特有のメリットがあり打牌選択に迷う場合は、「どちらを切っても残る共通の受け入れを引いた場合に、どちらがよい手になるか」で判断すると申しましたが、ここでもこの考え方が役に立ちます。

   ドラ

 ペンチャンと浮き牌、どちらを切っても残る共通の受け入れはです。ペンチャンを残していればペンテンパイ、ペンチャンを落としていればのくっつき形の1シャンテン。の4種で良形テンパイになります。

 「現麻本」講座3(第4回)の手変わり待ち基準から、良形テンパイの受け入れが4種程度の1シャンテンであれば、悪形でもテンパイしている方がよいことが言えるので、この段階で浮き牌を切って1シャンテンに受けます。

 1面子できるまでの平均巡目は、ペンチャン残しも3~7の浮き牌残しも大差ないと申しましたが、麻雀は流局までに18巡しかなく、他家の攻撃が入れば更に終局巡目は早くなるので、巡目が遅い段階でテンパイしてもアガリに結びつくことは少なくなります。ですから、「平均巡目に大差ないのであれば、早い段階でテンパイできる可能性が高い選択の方が有利になりやすい」ことが言えます。

   ドラ

 今度はを引いた場合、ペンチャンを落としていればのくっつき形1シャンテン。の7種でペンよりよいテンパイになりますし、ツモなら良形かつ1翻上がります。この1シャンテンならを切って悪形テンパイよりもよい手なので、この段階でペンチャンを外します。「ツモの裏目が痛いので、とりあえず1シャンテンにはとって先にを引いたらテンパイを外す」と考える人もいますが、これも何度も申していますように、「裏目」にとらわれ過ぎている考え方です。

 もちろん、巡目が遅い場合や他家の手牌進行状況が早い場合、あるいはが山に残っている可能性が高いと読める等の理由で、先にを引いた場合も即リーチを打てる方がよいと判断したのであれば、打としても結構です。「現麻本」の基準はあくまで他に条件が無い場合の目安。場況を考慮したうえで、よりよい手を目指す選択ができるのであればそれに越したことはありません。

 迷った時はどちらを切っても大差ないことが多いものですが、強者を目指すのであればそのような時こそ丁寧に打つよう心掛けたいですね。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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