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もっと勝つための現代麻雀技術論 第96回 「親は早めに鳴くは本当?」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第96回 「親は早めに鳴くは本当?」

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 親は早めに鳴くは本当?

  前回は子の場合の鳴き基準を取り上げましたが、親の場合はどうでしょうか。現麻本では、親の場合は連荘のメリットがあり、ツモられた時の失点も多くなるので、子の場合より早い巡目から鳴くとしました。多くの戦術書でも、「親だからスピード重視で鳴く」と書かれることが多かったように思われます。

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 しかし、こちらのシミュレートでは、鳴いてテンパイと、スルーしてメンゼン1シャンテンの比較は、むしろ親の方が遅い巡目までスルー有利になりやすいという結果が出ています。結果と体感が反するものになった理由としては、以下の3つが挙げられます。

  1つ目は、親の方が高い手をあがれた時の効果が大きいことです。
 出アガリ1翻30符は子1000点、親1500点と大差ないですが、満貫だと子8000点、親12000点と4000点の差になります。あがれなくてツモられた時の失点は親の方が大きくなりますが、「メンゼンであがれた時の収入」と、「鳴いてあがれた時の収入」の差も親の方が大きく、この点では親の方がメンゼンで進めるメリットが大きいわけです。

  2つ目は、あがれなくてツモられた時の損失は親のほうが大きいですが、ツモられた時以外の損失については、むしろ親の方が小さいことです。
 自分が親だから親に放銃することがないので放縦時の損失は少ないですし、メンゼンテンパイでリーチした場合、親の方が子の場合より他家が降りることが多いので、あがれなくてもテンパイ料を得られるケースも増えます。

  3つ目は、「親だから鳴く」局面自体は多いことにあります。
 テンパイから遠い段階や、他家のテンパイが入っている場合は、親なら鳴くけど、子なら放銃回避重視でスルーというケースは増えます。「親はスピード重視」というセオリー自体は誤りではないですが、「打点よりスピード重視」ではなく、「守備力よりスピード重視」と言うべきだったんですね。

  親の方がスルー寄りと言っても、巡目にして1~2巡程度(具体的には上記のリンク先のデータを参照下さい。)なので、実戦では局面に応じて判断を変えることも多く、基準にこだわり過ぎるべきではないですが、一般的に正しいとされているセオリーでも、そのまま適用できるとは限らないということ、確率と体感はしばしばズレが生じることに、改めて注意しないといけないと思わされたことでした。

 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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