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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討  第154回

ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討 第154回

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ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討とは
  • 『ネマタの第八期天鳳名人戦牌譜検討』は、麻雀研究家・ネマタさんが「第八期天鳳名人戦」で気になった局面を取り上げていくコラムです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。

第八節一回戦B卓

▼対局者
小林剛
木原浩一
就活生@川村軍団
ASAPIN


牌譜はこちら

 悪形残りとはいえツモでテンパイするように打としそうですが、2シャンテンに戻してもツモは789三色と一通のくっつき1シャンテンに取れます。が浮き牌として価値が高く、2巡目という最序盤なのでシャンテン戻しのロスが相対的に小さくなっていると言えます。
 ただしを残せばツモでも受けが広くなるので、リャンメンができるツモが1種のみの28牌を残してまで2シャンテンに戻すかと言われれば微妙です。なら打有力というところでしょうか。

 テンパイ打牌がになれば、がフォロー牌に見えるので待ちが読まれづらくなります。配牌でホンイツの5ブロックが揃っていたので、第一打にを切ってからペンチャンを落とす手もありましたが、その場合はペンチャンより価値が高いブロックは何でも有り得るので、確かにこちらの方が他家をミスリードさせるうえでは効果的です。

 小林プロの仕掛けならこの3フーロでも安手の可能性も有り得ると考えがちですが、もしこの手でホンイツでもトイトイでも無い安手なら、くっつけば高打点になるは流石に残しそうなもの。手順で他家をミスリードしたことに加え、普段の打ち筋が功を奏した跳満と言えそうです。もちろん十分高打点が狙える手を鳴いて安手止まりにするのは損ですが、「安手だけど鳴くに越したことはない」程度の手で積極的に仕掛けるくらいがちょうどいいのかもしれません。

 雀頭のくっつき1シャンテンに取れるので、雀頭を崩す打は結構受け入れのロスが大きい。は安牌になりやすいとはいえ基本は打でしょうか。

 結果的にはを引っ張っていれば北家に放銃していたところを11600のアガリ。ドラがを切っていることから、を残すことで増える受け入れはドラを切るか悪形残り。雀頭を崩すロスが相対的に小さいと言えます。

 そのうえで、役牌をポンして手出しと比較的アガリが近そうな北家が将来待ちでテンパイすることもそれなりに高いと言えます。「受け入れロス」と言っても、本当にロスと言えるのは最終的にアガリを逃した場合。今回のように放銃を回避してアガれるケースや、一旦アガリ逃したためにより高いアガリになるケースもあるので比較が難しいところです。

 西家の仕掛けに対応してドラ受けリャンメンとはいえピンズ落とし。ドラがで、カンチャンよりも、を切っているが手の内にあったとなると、雀頭が無いところにドラが重なりテンパイのケースがそれなりにありそうです。

 回し打ちからのスーアンコテンパイ。もちろんツモればダントツの北家を捲ります。

 北家もテンパイしましたが、は西家に結構危険な牌。こちらも赤2枚とはいえ、ドラを固められていることが想定しやすいとなると、ダントツならを止めてそうです。

 しかし切りから一転して西家に通っていないを切ってきた東家も気になるところ。ダンラスの西家の仕掛けにドラが固まっている可能性が高いことは東家も承知しているはず。それなのに無スジを勝負してきたとなると、単なるテンパイ料狙いとも考えにくい。それなら西家に振り込んだとしても親を流せるなら悪くないという判断もあったのかもしれません。親のツモは残り2枚、その2枚の中にもしかしたらがあったかもしれない…勝負にたらればは禁物と言いますが、このような結果の話で一喜一憂するのも、牌譜検討の醍醐味です。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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